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- 2023/01/28 掲載
アップル ヘッドセット「Reality Pro」今春発表・秋から出荷か?明らかになる開発状況
アップルのヘッドセット、3,000ドルで販売か
リリース日に関してさまざまな臆測が流れているアップルのVR/AR/MRヘッドセットだが、2023年に入り、有力情報が複数発信されている。1つは、著名アナリスト、ミンチー・クオ氏による予想だ。クオ氏は1月6日、ツイッターでアップルが早くて今春にもAR/MRヘッドセットを発表する可能性があると発信。もともと2023年1月に発表する予定だったが、機械部品の落下試験とソフトウェア開発ツール関連の問題により、春以降にずれ込む形になった。現在の開発ペースでは、春のメディア・イベントかアップルが毎年6月に開催しているWWDC(World Wide Developer Conference)での発表が有力視されているという。
クオ氏に続き、ブルームバーグもアップルがMRヘッドセットを春ごろに発表する可能性が高いと報じている。1月8日の記事によると、アップルは6月のWWDC前となる春にMRヘッドセットを発表する計画で、すでに一部の有力ソフトウェア開発企業にヘッドセットデバイスを共有し、ヘッドセット用のアプリ開発を進めているとのこと。
ヘッドセットのオペレーティングシステムは社内では「Borealis」と呼ばれているが、公式名は「xrOS」になる見込み。また今回発表されるMRヘッドセットの名前は「Reality Pro」になる公算が大きく、出荷は秋ごろになるという。
アップル社内では、このヘッドセットプロジェクトが大詰めを迎えており他部署から多くのソフトウェアエンジニアやハードウエアエンジニアが駆り出され、他のプロジェクトにも影響が出始めているとも報じられている。
ヘッドセットの価格は2,000~3,000ドル、パススルー機能により、利用者の周囲の状況をヘッドセットスクリーンに投影することができる。また、アップルのMessages、FaceTime、Mapsなどのヘッドセット版が利用できるようになるという。
開発体制強化の動きが顕著なヘッドセットプロジェクト
ブルームバーグは、アップルのヘッドセットプロジェクトに社内他部署から多数の人材が駆り出されていると伝えている。一方、同社は新規でもAR/VR関連人材の雇用を加速させており、開発体制を強化しようという動きが顕著になっている。アップルの求人情報では以前からAR/VR人材の雇用が増えていたが、2023年も初月からAR/VR人材の新規求人が多数掲載されている。
2022年12月19日時点、アップルの求人ページで「AR/VR」というキーワードで検索すると、関連求人数は約141件だった。2023年1月25日時点で、同じキーワードで検索すると求人数は152件に増えていることが確認できる。
直近では「AR/VR Audio」に関する求人が散見され、アップルが同社の主要アセットの1つであるアップルミュージックをAR/VRヘッドセットの訴求に活用する可能性なども見てとることができる。
AR/VR Audioに関しては、「TDG SW EPM - AR/VR Audio(シリコンバレー勤務)」といった求人情報が掲載されている。TDGとは、アップルの極秘開発部門 The Technology Development Groupの略称。この求人は、同部門でEPM(Engineering Program Manager)として、AR/VR体験のためのオーディオソフトウェアの開発に従事する役職となる。
The Informationが1月3日に報じたところでは、アップルの新ヘッドセットにはAir Podsとの低レイテンシーワイヤレス接続を実現するために、特別な技術が導入される見込みという。この情報からもヘッドセットでの音楽体験が重要視されていることがわかる。
【次ページ】競合となるメタのフラッグシップモデル、厳しい評価の訳
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