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- 2023/01/17 掲載
メディアとプラットフォーマーが対立? 米ジャーナリズム法案がもたらす地殻変動
米国フェイスブックでニュース配信停止の可能性
米国議会で議論される予定のジャーナリズム関連法案が可決されると、フェイスブックでニュース配信が止まる可能性があり、議会の動向に注目が集まっている。これは「JCPA(Journalism Competition and Preservation Act:ジャーナリズム競争・保護法)」と呼ばれる法案で、これまでカナダやオーストラリアでも同様の動きがあった。
米国でこの法律が施行されると、ニュース配信企業は、フェイスブックやグーグルなどのプラットフォーマーと交渉し、ニュース提供料金を徴収できるようになる。
2021年にオーストラリアで同様の動きがあったが、このときフェイスブックは、ニュース配信を一時止めたほか、オーストラリア政府関連機関のフェイスブックページをブロックするなど抗議行動に打って出ている。これを受け、オーストラリア議会は法律を改正。その後、フェイスブックは同国でのニュース配信を再開した。
カナダでも同様のことが起こっており、今後、米国でも混乱が起こるのではないかと懸念する声があがっている。
JCPAとは?
JCPAは、2021年に民主党上院議員エイミー・クロブシャー氏ら主導のもと提案された法案だ。同法案は、ニュース配信/メディア企業がフェイスブックやグーグルなどのプラットフォーマーに対し、団体交渉できる権限を与え、各社サービスにおけるコンテンツ配信やニュース配信料金の徴収などに関する条件交渉を可能にするもの。
また団体交渉の結果、プラットフォーマーに不利な条件となっても、メディア企業への報復的な行動を禁じることなどが盛り込まれている。
2022年9月に上院司法委員会では15対7で可決された。法律として施行されるには、上院・下院での議論・可決を経て、大統領による署名が必要となる。
この法案に対し、メディア企業はもちろん賛成を表明したが、プラットフォーマー側は反対の意を表名。メタに至っては、この法律が可決された場合、米国フェイスブックにおけるニュース配信を禁止せざるを得なくなると、オーストラリアやカナダのときと同様に、厳しい措置を取る姿勢を顕にした。
12月6日には、メタのポリシーコミュニケーション責任者アンディ・ストーン氏が自身のツイッターで、同法案を「ill-considered(議論が不十分)」だと非難する声明を発表。法案が可決された場合、メディア企業と交渉することはなく、ニュースを全面的に禁止にせざるを得なくなるだろうと強調した。
ストーン氏は、この法案がメディア企業がプラットフォームを利用することで受ける恩恵・価値を認識していないと指摘。プラットフォーマーがニュースコンテンツから恩恵を受けているのではなく、トラフィックやサブスクリプションの増加を鑑みると、実際はその逆だと、JCPA法案を非難した。
【次ページ】オーストラリア政府とフェイスブックの対立
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