フューチャーブリッジパートナーズ 長橋 賢吾
2005年東京大学大学院情報理工学研究科修了。博士(情報理工学)。英国ケンブリッジ大学コンピュータ研究所訪問研究員を経て、2006年日興シティグループ証券にてITサービス・ソフトウェア担当の証券アナリストとして従事したのち、2009年3月にフューチャーブリッジパートナーズ(株)を設立。経営コンサルタントとして、経営の視点から、企業分析、情報システム評価、IR支援等に携わる。アプリックスIPホールディングス(株) 取締役 チーフエコノミスト。共著に『使って学ぶIPv6』(アスキー02年4月初版)、著書に『これならわかるネットワーク』(講談社ブルーバックス、08年5月)、『ネット企業の新技術と戦略がよーくわかる本』(秀和システム、11年9月)。『ビックデータ戦略』(秀和システム、12年3月)、『図解:スマートフォンビジネスモデル』(秀和システム、12年11月)。
ホームページ: http://www.futurebridge.jp
かつて、財務諸表といえば、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)が中心でした。しかし、利益や費用の動きとキャッシュの動きは必ずしも一致しないため、P/L上では利益が出ているにもかかわらず、資金繰りがショートして倒産してしまうケースもあり、P/LとB/Sだけでは経営状態を正しく把握できない問題がありました。そこで登場したのがキャッシュ・フロー計算書(C/F)です。米国では“キャッシュ・フロー経営”という考え方が広く普及しており、企業の業績の善し悪しを「自由に使えるキャッシュ(フリーキャッシュ・フロー)をどのくらい生んだのか」という視点でみています。今回は、この「キャッシュ・フロー経営」について、キヤノンを例にご紹介しましょう。