サイエンスライター 森山 和道
フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。
製造業では高まり続ける生産性向上・省人化ニーズを背景として「サステナブルなものづくり現場」のあり方が模索されている。複雑化するニーズに対応するために、AIやロボットなど先進自動化技術を巧みに活用して属人的な影響を減らしつつも、人の働きがいや労働環境の向上、そしてCO2削減、エネルギー削減にも貢献できる生産現場が理想だ。「IIFES 2024」でのオムロンによる、人を超える完全自動化ラインと、人とロボットを組み合わせた協調生産ラインのソリューション提案はその1例である。製造現場に限らず、どの現場でもこの2つの考え方と、「計測と制御」を基本とした改善への取り組みが続けられることになるだろう。「IIFES 2024」のさまざまな展示から、その最新動向を見てみよう。
生活用品のほか、近年では家電でも知られるアイリスオーヤマが、「自立したロボットメーカーを目指す」と発表した。同社は2021年からロボティクス事業を本格始動させ、ソフトバンクロボティクスが開発・製造する「Whiz i」に、アイリスオーヤマ独自のオプション機能を追加できる「Whiz i アイリス エディション)」や各種配膳ロボット等を販売してきた。そして2023年11月には自社工場で製造する水拭き清掃ロボット「BROIT(ブロイト)」を発表。2024年半ばから販売し、2027年度には清掃ロボット関連事業だけで売り上げ1,000億円突破を目指す。これまでのサービスロボット導入実績が累計5000社を突破したことを背景として、一気にロボット事業の成長を目指す戦略だ。