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  • 2017/11/08 掲載

AI、xRAD、RPAを活用した「企業IT資産の継承」と「価値創造の最新トレンド」(2/2)

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Wagby活用で機能の90%を自動生成、内製開発が様変わりすることも

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ジャスミンソフト
代表取締役
贄(にえ) 良則氏
 次に、ジャスミンソフト 代表取締役の贄(にえ) 良則氏が登壇。超高速開発がなぜ今、注目されているか、システム開発の今後について語った。贄氏は、2006年に超高速開発ツール「Wagby」を開発、累積導入企業数は2017年10月現在で336社を数える。

 超高速開発について、贄氏は「要件定義と設計がまとまっている」点を特徴に挙げた。

「要件定義をしながら、Wagbyに要件をエントリーすると、その場で動くアプリケーションが完成します。これはいわゆるプロトタイプではなく、本番運用に耐えうるクオリティのものです」(贄氏)

 実際に動くものが目の前で、仕様を固めていく。

 「どんなに紙で精緻な仕様書を固めても、実際に作ったシステムに対して、データが足りない、画面が足りない、帳票が足りないなどのダメ出しがなくなることはない」と贄氏。つまり、作る前から仕様をすべて洗い出すのは不可能で、「作ってから仕様を洗い出す」ことに転換したのが超高速開発のコンセプトだ。

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動くプログラムを見ながら仕様を固めていくことで開発を高速化する

 贄氏によれば、「機能の90%は自動生成可能」とのことで、「残りの10%を開発、テストするという開発プロセスは、顧客側も一度体験すると元には戻れない」そうだ。

 これまでも、ライブラリ化やクラスによる部品化、テスト自動化、実行基盤作成の自動化など、開発における自動化は進んできたが、「プログラミングだけは人力に頼っていた」と贄氏。そこで、業務アプリケーションを作り続けてきた経験から「データ構造とアルゴリズム」に着目。これらを「設計情報(リポジトリ)」として変換することで、プログラミングを自動化している。

 さらに、「自動生成で不足する部分をカスタマイズで開発する」プロセスでも、カスタマイズ結果を自動生成エンジンにフィードバック。いわば自動生成エンジンを開発者が「鍛えていく」ことで、次回のプロジェクトにおける自動化率が高まる効果も期待できる。

 贄氏は、開発プロジェクトを「労働集約型から自動化を主体にし、人月工数ビジネスを確実に終わらせること」をゴールに定める。自動化が主体になれば、顧客企業側にも「内製シフト」が起きる。つまり、SIerの役割は、ユーザーの内製開発に寄り添うことになるのだ。

 贄氏は「SIの高付加価値化のためには、こうした超高速開発ツールを活用するのが必須要件化していくだろう」と述べ、セッションを終えた。

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NTTアドバンステクノロジ
グローバル事業本部
グローバル営業部門
担当課長
藤崎 美奈子氏
 続いて登壇したNTTアドバンステクノロジ(以下、NTT AT) グローバル事業本部 グローバル営業部門 担当課長の藤崎 美奈子氏は、「働き方改革の実現には、労働時間の短縮と労働生産性の向上が課題だ」と述べた。

 RPAは、ホワイトカラー業務を自動化するソフトウェアロボットだ。「2015年頃にヨーロッパで注目され、2016年には北米でブーム。2017年、日本でもRPAブームが到来している」と藤崎氏。そして、NTT ATが開発したクライアントPC型のRPAツールが「WinActor」だ。

 これはWindows上で動くソフトウェアロボットで「録画ボタンを押して、人間がパソコンを使った作業をすると、録画内容から操作内容をソフトが覚え、自動実行を可能にする」ものだ。

 自動化率としては、「ある受発注システムの自動化では、Excelの入力作業を95%削減した事例や、経営管理部門に導入し、基幹システムの売上管理データから報告書を作成するプロセスを自動化。報告書作成業務を98%削減したケースなどがある」という。さらにマシンが業務を行うことでヒューマンエラーが防げる効果もある。

 今後は「クライアント型からサーバー型のWinActorを開発し、サーバーOSにも対応していく」と藤崎氏。大規模ユーザーを想定したセキュリティ機能の強化などで、「お客さまのニーズに応えていきたい」と締めくくった。

 再び登壇した清水氏は、AIの動向や、AIと連携したソリューションについて紹介した。

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システム開発の工程にxRADやAIを適用することで、さらに開発生産性を高めることができる

 AIを連携させた具体的なソリューションは「AI Read」だ。これは、OCRエンジンにAIを活用し、今まで読めなかった文字の可読率を高めるもの。「これまで既存のOCRソフトでは諦めていた、手書き文字の読み取り精度の向上、レイアウトの異なる帳票からのデータ抽出を、AIを活用することで可能になる」と清水氏。

 前述した「Wagby」で開発することで「お客さまの帳票や出力ファイルに合わせたカスタマイズが可能で、早期に利便性の高い機能の提供が可能になる」とのこと。そして、「WinActor」と組み合わせ、入力業務の自動化も実現可能だ。

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RPAとAIの組み合わせにより、自動化を進め、働き方改革にも寄与

 最後に、今後のロードマップとして、Microsoft Azureと連携し、来春をメドに、WinActor、Wagby、AI Readを活用し、新たなソリューションを提供していく計画があることが紹介された。WinActor、Wagby、AI Readについては「東南アジアをメインに、グローバル展開を進めていきたい」と清水氏は抱負を述べ、セッションを締めくくった。

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