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- 2017/11/08 掲載
AI、xRAD、RPAを活用した「企業IT資産の継承」と「価値創造の最新トレンド」
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募る「経営環境の変化」への危機感
1995年から『MMS(メインフレーム・マイグレーション・サービス)』に取り組み、企業の重要なIT資産の継承に取り組んできた同社だが、最近ではCOBOL資産の継承という課題だけでなく、業種、業界を問わず経営環境の変化に対応しなければならないと主張する。
こうした課題解決の取り組みの一つとして、東京システムハウスでは、KDDI総合研究所の協力のもと「KT-NET」というビジネスコラボレーション組織を主催。KDDI総合研究所及びKT-NET会員企業のシーズをサービス化、製品化することをミッションに、マッチングやコラボレーションを実施するイノベーション創出に取り組んでいる。
林氏は「データを蓄積して、AI、アナリティクスを使って次代への変革を遂げようというニーズに対し、さまざまな形でお役に立ちたい」と今後の抱負を語った。
レガシーマイグレーションにもxRAD、AIによる自動化の波が
「働き方改革、開発生産性向上、デジタルトランスフォーメーションといった課題解決のニーズが高まっている」と述べた。さらに、品質やコスト、納期に対する顧客の要求は高まるばかりで「何らかの解決策を持っていないと、システム開発がたちいかなくなっていく」と指摘する。
東京システムハウスは、1995年から手がけるMMSに加え、ITのテクノロジーを使ってこうした課題を解決するソリューションを用意している。
「2016年にはxRADとAIを、2017年からはソフトウェアロボットによる自動化技術であるRPA(Robotic Process Automation)のソリューションも提供開始しました」(清水氏)
続いて、東京システムハウス ビジネスイノベーション事業部 マイグレーションソリューション部 部長 比毛(ひもう) 寛之氏が登壇し、MMSによる基幹システムのマイグレーションの最新動向を以下の5点にわたって解説した。
ポイント1:メインフレーム
メインフレーム機は、5年前に調査対象企業の12%が保有していたものの、最新のデータでは6%と半減している。比毛氏は、「メインフレームのオープン化の傾向としては、大規模メインフレームのオープン化の案件が多く、バッチシステムだけをオープン化したいといった部分的な切り出しのニーズが多い点が挙げられる。また、オープン化が先延ばしにされてきた難易度の高いシステムが多い傾向もある」と説明した。
ポイント2:オフコン
オフコンのマイグレーションは、「最も注力している分野です」と比毛氏。特に「NECのオフコン(A-VX)の相談が多い」ということだ。傾向としては「資産数がメインフレーム並のハイエンド機が多い傾向がある。また、担当者の引退などに伴い、資産がどの程度あるか把握できていないケースも増えている」とのことだ。
ポイント3:オープンレガシー
「ACUCOBOL」を用いたオープン環境で構築されたシステムが、レガシー化しているケースもある。「ACUCOBOLの最終バージョンが発売されたのが2007年。対応OSのサポート終了問題を含め、この分野でのマイグレーション化も多数、手がけてきている」と比毛氏は説明する。
ポイント4:オープンソース
レガシーシステムの移行先としてオープンソースを選択するケースが当たり前になってきた。比毛氏は「当社では、2012年からオープンソースへのマイグレーションを手がけてきた」と述べる。プロジェクトの傾向としては「オープンソースを部分的に使うケースに加え、完全にオープンソース環境に移行するケースも増えてきている」そうだ。
ポイント5:クラウド
クラウドへのマイグレーションは2010年より手がけている。しかし、マイグレーションの対象が基幹システムということもあり「クラウド化の案件はあまり多くないのが実情」だと比毛氏。最近は、開発環境だけクラウドに移行するケースや、担当者が引退したオフコンの資産をクラウドに移行し、東京システムハウスが保守、運用を遠隔からサポートするケースがあるという。
こうしたポイントを踏まえ、MMSシリーズの新たなラインナップとして、東京システムハウスは、「MMS+Enterprise AI」「MMS for RAD」を提供している。前者は、AIを用いた開発、マイグレーション高速化を図るもの、そして、後者はxRADを用いた、開発スピードと保守性の向上を実現するソリューションだ。
比毛氏は、マイグレーション(システム開発)の一般的な工程を示した。
特に、「MMS+Enterprise AI」では、帳票比較テスト支援ツール「SmartCompare」というツールを2017年5月にリリース。そして、「MMS for RAD」では、マジックソフトウェア・ジャパン「Magic xpa」、ジャスミンソフト「Wagby」と協業し、超高速開発をマイグレーションの中で活用することに取り組んでいる。
「Magic xpaでは、NECオフコンの簡易言語『SMART』の変換に取り組んでいます。これまではCOBOLで書き直すのが一般的でしたが、移行後の保守性を考慮し、直接、Magic xpaへの変換を行うようにしました」(比毛氏)
Wagbyでは、COBOLシステムを、Wagbyとオープン系COBOLが連携できる環境にマイグレーションをすることに取り組んでいる。
比毛氏は「この移行方式は現在開発中で、来年の提供に向けて準備を進めているところだ」と述べ、講演を締めくくった。
【次ページ】Wagby活用で機能の90%を自動生成、内製開発が様変わりすることも
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