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  • 2022/12/02 掲載

【独自】朝倉未来ら経営陣が明かす、BreakingDownが「死ぬほどバズる」ワケ

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「1分間最強を決める。」をコンセプトとした格闘技イベント「BreakingDown」。2021年に発足し、アマチュア格闘家や著名なYouTuber、TikTokerなども参戦し、オンライン観戦できる“異色”の総合格闘技として注目されている。従来の格闘技イベントとは何が異なるのか? なぜ、これほどまでの盛り上がりを見せているのか。大会のプロデューサーを務める、総合格闘家・朝倉 未来選手、スペシャルアドバイザーの朝倉 海選手、CEOのYUGO氏、COO 溝口 勇児氏への単独インタビューを踏まえて、その理由に迫る。
聞き手・構成:編集部 山田 竜司
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朝倉未来や朝倉海、経営陣に聞く「BreakingDownがバズる」理由
(出典:BreakingDown)

YUGO氏が語る、BreakingDownが流行る3つの理由

・高速PDCAを回せる組織体制
 BreakingDownでは、CEO/エグゼクティブプロデューサー/ クリエイティブディレクターを務めるYUGO氏が全体の意思決定を担い、COOの 溝口 勇児氏が運営や動画などSNS統括の部分を、アイデアやマッチメイクについて朝倉未来氏が担当することでうまく連携を図っている。

 YUGO氏は、同イベントの運営体制を「高速PDCAを回せるチーム」と表現し、次のように説明する。

「一応、会社の体裁はあるが、実際は企業や個人、インフルエンサーがミックスした業務ごとの完全分業制のチーム構成。10以上のLINEグループの中でどんどん指示が出てくる体制を取っている。朝方と夜型の人が集まり、極論、24時間動ける体制で、現場で何かトラブルがあれば、柔軟かつスピーディーに対応できる」(YUGO氏)

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ブレイキングダウン YUGO CEO/エグゼクティブプロデューサーを務めるYUGO氏
(出典:BreakingDown)
 同氏によると、チーム加入の段階で「僕やチームのスピード感に合わせられますか」と、必ず確認するという。通常、会社の就業規則に従うのは当然のことだが「BreakingDownの流れにフィットするような人たち」(YUGO氏)でチームを構成することで「BreakingDownとはこういうものだから、こうしたルールがある」という前提で各メンバーが機能し、高速PDCAが実現できていると説明する。

・真似をするのが難しいコンテンツ
 他のイベントとの違いについて、YUGO氏は「“人間讃歌”というテーマを掲げ、コンテンツの真似をするのが難しい」点を挙げる。「BreakingDownは、人間ドラマそのもの。1人ひとりが各々脚本を持っているが、自分の理想とする試合を調整できる人もいれば、つぶされてしまう人もいる。そこに運の要素も重なる。まさしく、人生はそうした偶発性の重なりだ」(同氏)

 実際、オーディション参加者、リングに上がる選手たちは、各自の「演出」を持ち合わせている。そのため、「本当に運営側では統制が取れない」という。また、「そうした生の感覚を仕切れる朝倉 未来という存在を含め、この状況を創り出し、なおかつコンテンツとして発信できるのは、誰にも真似できないのでは」と自負する。

 さらにYUGO氏は、動画内で起きていることは、基本的に「偶然」と強調する。ただ、偶然のピースが合わさるような舞台を用意するものの、自由度が高く、ある程度の意思決定を参加者に任せている部分があるという。

 一方、デメリットとして、過激な振る舞いやケガ人が出てしまったことなど課題が生じていることについても認めている。これについては、「今後のオーディション、会見におけるセキュリティ強化、改善を遂行していく。BreakingDown6の大会中でも謝罪を述べさせていただいた。しかし、まだまだ至らぬ点もあり、完璧にはいつまで経ってもなり得ず、常に問題課題は現れるが、その都度乗り越えて成長していければと考えている」という。

 一方で「統制を強め過ぎると、現在の日本のテレビ業界が陥っている“つまらなさ”のループに入る」と考え、コンプライアンスは強化しながらなるべくBreakingDownらしさを崩さないようにバランスを取っていくとのことだ。

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YouTube月間動画再生数ランキングTOP10 2022年10月
(出典:アナライズログ 報道発表

・漫画的な世界観によりエンターテインメント性を凝縮
 YUGO氏は、クリエイティブの責任者として「漫画的な世界観を構築できるよう、すべてを包括したブランディングを心掛けている」と語る。全人類が応募資格を持つBreakingDownには、元プロボクサーで格闘家の飯田 将成選手などの“本格派”から、「10人ニキ」のような弱いことを売りにする選手もいるなど「許容できる範囲がかなり幅広い」(同氏)。

 たとえば、他の総合格闘技イベント「RIZIN」が同様のことをやると「正統な格闘技なのに何をやっているんだ」と批判されるかもしれないが、「『キン肉マン』『キャプテン翼』に双子の登場人物が登場したように、BreakingDown6でも双子の選手が意図せず出てくるなど、BreakingDownは漫画的だから許される」と表現する。

 そうしたキャラ立ちした選手が、原始的に殴り合って1分で結果が出る「1分1ラウンド」制を採用することで、「格闘技に興味ない人でもサクッと見られること」を意識しているという。

「興味のないコンテンツはすぐに飛ばされる、みんなの集中力が持たない時代。選手1人ひとりの人間讃歌をハイテンポで見ることができ、エンターテインメント性が凝縮されている」(YUGO氏)

YUGO氏が見据える、今後の展望

 2022年11月に開催された「Breaking Down6」では、オーディションや記者会見でケガ人が出ている。

 12階級に分けられるBreaking Downは、主催側が用意したオープンフィンガーグローブを着用して、膝パッドを着用しヘッドギアなしで殴り合うのが基本ルールだ。安全面への配慮は、エンターテインメントとして避けて通れない道だろう。

 その点について、YUGO氏はより安全面を考慮した「通常より太めでクッション性のあるオリジナルグローブの採用」やルールを徹底させるためにスタッフを拡充することなどに取り組んでいると説明する。また、オーディション参加者には、試合に出るのと同じぐらいの覚悟で事前に誓約書を書いてもらう可能性があることを示唆している。

 今後は「小さなカスタムチューニングをしつつ、エンターテインメント性と安全性のバランスを図っていく」と述べ、「1分1ラウンドを世界基準にすることが大目的。日本発のエンターテインメントとして、このパッケージが世界を牛耳っていきたい」と、力を込めて世界展開への真剣度を語る。

【次ページ】朝倉未来や朝倉海や起業家・溝口 勇児氏に聞く、BreakingDownがバズる理由
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