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オンライン(Web)会議は対面会議に比べて「同時に一人しか話せない」「相手の様子が分かりづらい」「デジタルデータしか使えない」という機能的な制約があります。また「Zoom疲れ」という言葉が生まれたように、オンライン会議が続くと疲れます。本稿では、効率的・効果的にオンライン会議を行うためのポイントを、会議前のアジェンダ作り、会議後の議事/TODO作りにフォーカスして、テンプレートともに解説します。
※本記事は『
テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』p186-189,p218-222を再構成したものです。
事前アジェンダをつくる
オフィスワークでもテレワークでも、仕事時間を短縮する最大のポイントは「いかに効率的に会議を行うか」にかかっています。
会議は多くの人の時間を消費するものであるにも関わらず、「会議の目的が決まっていない」「会議で何を話すべきか決まっていない」「会議をしても何も決まらなかった」というケースがいかに多いことか。
この問題を「事前アジェンダ」が解決します。
「事前アジェンダ」は、会議の前にアジェンダを提示しておくことです。アジェンダとは、その会議で話すべき事項(トピック)の一覧です。たとえば次のものです。
(記載例)
■本日のアジェンダ
1.書籍の執筆ペースについて
2.書籍の原稿ファイルの体裁について
3.ここまでの原稿の確認
■1.書籍の執筆ペースについて
●前提
・noteで20記事ほど蓄積がある(4万文字ほど)
●相談事項
1.そもそも原稿は何万字必要か?
→想定:10万字程度?
2.8月完成を目指す場合、週に何万字ほど書く必要があるか?
→想定:1万文字/週程度?
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トピック一覧に加え、次の項目も同時に整理しておくと良いでしょう。
- 各トピックについての背景・前提
- トピックについての自分の主張・結論
- トピックについての選択肢
- 主張が妥当と思われる根拠
「PowerPointなどでしっかり資料をつくらねば」という印象を持つ方もいますが、テキストで作成するだけでも十分です。
テレワークだからこそ特に事前アジェンダが重要な理由
テレワーク・オフィスワークに限らず、事前アジェンダの必要性に異論がある方はいないでしょう。ここでは、特にテレワークだからこそ重要な理由を整理します。
(1)そもそも「会議が不要」なことも多い
(2)オンライン会議は、対面会議よりも難しい
(1)そもそも「会議が不要」なことも多い
最近よくあるのは「とりあえず会議の時間をください」とだけ言われ、相談内容が会議までわからないケースです。
しかし、アジェンダが事前にわかれば、会議を待たずにチャットなどでその場で返事ができることも多々あります。チャットで返事ができてしまえば、そもそも会議で時間を取る必要もなく、返事もすぐにもらえるため、お互いに効率的です。
先日も、とあるメンバーから「営業の管理リストについて相談したいので、ミーティング時間がほしい」という打診がありました。これだけだと、何を相談したいのかわからなかったので、「相談内容を事前に教えてください」とお願いしました。すると、相談事項は以下の3つでした。
- セミナーや種類別に集計シートをつくりたい
- アンケート結果と回答結果を紐付けたい
- 営業資料に統計シートを貼りたいが、方法がわからない
画面キャプチャ・スクリーン録画などを使うことで、すべてチャットで回答できる内容ばかりだったので、その場でレスポンスを返しました。掛かった時間は5分程度でした。
このように、本来は短時間で解消できるものが、事前アジェンダがないことでムダな会議につながることは非常に多い。
「とりあえず会議で」という意識は、「オフィスの距離感をテレワークに持ち込んでいる」ということかもしれません。オフィス内では、時間に余裕がありそうなときに「ちょっといいですか」と相談しに行くことはよくあります。相手に時間がありそうなことはわかっているわけですし、その場で解消できて効率的です。
しかしテレワークでは、相手の状況もわからないですし、会議をするには予定を調整する必要があります。「自分のペースで仕事ができる」というテレワークのメリットを生かすためにも、事前に相談事項を提示し、そもそも会議が必要ないものは会議以外で解消する方がよいでしょう。
(2)オンライン会議は、対面会議よりも難しい
オンライン会議では「同時に1人しか話せない」「相手の様子が分かりづらい」「画面しか使えない」「デジタルデータしか渡せない」という制約があります。そのため、効率的に会議を進めようと思うと、これらを踏まえた準備が必要です。
具体的には「論点を決めておく」「必要な資料は事前に渡す、またはその場で開けるようにしておく」など。これらは「事前アジェンダをつくっておく」とほぼ同義です。
事前アジェンダを活用する際のポイント
事前アジェンダを活用する際のポイントを次に示します。
(1)箇条書きでつくる
(2)アジェンダがつくれない場合、理由を伝える
(3)会議前に送っておく
(1)箇条書きでつくる
文章に慣れていないと、相談事項をすべて文字に起こすのは時間が掛かって大変です。また、文章が長いと、見る側も読むのが大変です。事前アジェンダは、まずは短文で箇条書きし、後から補足情報や自分の考えを足す方が効率的です。
(記載例)
■書籍の作成方法について
・スタイル
→ですます調が良い?
・原稿のつくり方
→Googleドキュメントでよい?
・参考文献・引用がある場合の対応
→書籍名・ページ数をメモればよい?
・参考Webサイトがある場合の対応
→URLがあればよい?
・サービス紹介において画面とかはどこまで引用可能
→操作画面などはOK?
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(2)アジェンダがつくれない場合、理由を伝える
「そもそも何を相談したらいいのかもわからない」というケースもあるでしょう。その場合でも「論点がまだ整理できないため、相談させてほしい」と伝えましょう。相手の時間を使うわけですから、とりあえず会議時間を押さえることはやめましょう。
まずはできる範囲で内容を整理し、「ここまでは考えたが、これ以上わからないので相談したい」などと相談できると、依頼された側も状況がわかります。
ネガティブな指摘をするときや、文章で事前に伝えることが礼儀として難しい場合もあります。そんなときには「ちょっと文面では伝えづらいので、直接お話したい」「ご依頼にあたり、ぜひ一度ご挨拶させていただきたいので」と一言添えておくとスマートです。
(3)会議前に送っておく
会議開始前に送っておくと「しっかり準備している」という印象を伝えることができますし、アジェンダに沿って効率的に会議を進行できます。また、そもそも会議せずとも回答できる場合、会議せずに解決できる場合もあります。
【次ページ】オンライン会議での議事の取り方やTODOの進め方のポイント
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