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- 2025/02/18 掲載
どうすれば「相手の伝えたいこと」を正しく理解できるのか? 劇的に向上する7つの観点
「分かる」とはどういうことか?
そもそも「分かる」とは、どういうことなのだろうか。あなたは今、Aさんとの待ち合わせ場所にいる。だいぶ遠くから、それらしき人が向かってくるが、まだAさんかどうか「分からない」。そのうち、いつもAさんがかぶっている2色の帽子が目に入った。その瞬間、ああ、あれはAさんだ、と「分かった」。それは、区別がついた瞬間だ。言いかえれば、Aさんとそれ以外とを分けることができた瞬間である。すなわち、「分かる」とは「分ける」ことなのであり、「分ける」とは、対比関係を整理することである。
今の例は、「Aさんは2色の帽子をかぶっているが、Aさん以外はかぶっていない」と整理することができ、さらに単純化すれば、こうなる。
AとBには、反対語・否定表現が入るので、AとBは「対比の観点」であるといえる。すなわち、対比においては対比の観点の統一が不可欠であり、「分かりやすく」するというのは、この観点統一を意味するのである。パッと見では対比に思えない言葉でも、「くらべながら言いかえる」ことによって対比の観点が統一され、「分かりやすく」なる。
思考に不可欠な「7つの観点」
「くらべながら言いかえる」ためには、多くの反対語を覚えておかなければならない。と同時に、日常場面に頻出する代表的な「対比の観点」をも、覚えておく必要がある。反対語は無限にあるが、代表的な観点はさほど多くはない。私はそれを、「7つの観点」として日頃指導している。時分秒/年月日/朝昼晩/春夏秋冬/過去・現在・未来/時間・期間の長短/遅速/時間の連続性・断続性……等
②「空間」の観点
上下/左右/前後/表裏/内外/遠近/高低/長短/広狭/大小/分布/密度……等
③「自他」の観点
自己・他者/主観・客観/能動・受動/自発・強制……等
④「心理」の観点
喜怒哀楽に関するあらゆる見方
⑤「五感」の観点
視覚/聴覚/嗅覚/味覚/触覚
⑥「目的・手段」の観点
目的・目標・方向性/手段・方策・解決策
⑦「プラス・マイナス」の観点
良し悪し/善悪/明暗/前進・後退/幸・不幸/益・害……等
観点というものは無限に存在するが、この7つは特に重要度が高い。中でも、「時間」「空間」「自他」の3つは、意識的に用いることによって思考力を格段にアップさせることができる。 【次ページ】旅行と旅は何が違う? 解釈のクオリティを上げる方法
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