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- 2020/08/07 掲載
どうすればニトリのように荒波を乗り切れる?ガートナーが勧める新IT戦略
85%がIT戦略を修正中
新型コロナの渦中で健闘する企業の共通項
新型コロナで世の中は大きく変わった。これは即ち、新時代(ニューノーマル)の幕開けであり、新たな環境への即応があらゆる企業に求められている。それが難しければ衰退あるのみだ。ただし、危機は好機でもある。ガートナー リサーチ アドバイザリ部門 バイスプレジデント,アナリストの藤原恒夫氏は、「日本のGDPの伸び率は、2018年初頭から弱含みの傾向が見え、2019年第4四半期以降は新型コロナ渦により2期連続のマイナス成長となりました。しかし、こうした厳しい中にありながらも、自社ビジネスの見直しにより被害を抑え、逆に売り上げを伸ばしている企業も実在する」と指摘する。
たとえばニトリはネット販売の強化により入店客の減少に反して、通販事業を含む5月の既存店売上高は増収を達成。また、日本マクドナルドはネットで注文・支払いができる新サービスにより、4月以降、利用者を伸ばしている。米国の例ではあるが、米ディズニーでも19年に本格参入した映像のネット配信の売り上げが、テーマパーク事業の落ち込みを補った。
これらの企業に共通項として藤原氏が指摘したのが“DX”(デジタルトランスフォーメーション)だ。
「DXに乗り遅れた企業は今後、厳しい状況に直面するでしょう。だからこそ、まだ体力のある今からDXを進めるべきです」(藤原氏)
新時代の変化の影響は企業ごとに千差万別
大企業ではDXの動きがすでに顕在化しているという。ガートナーが売上高1000億円以上の日本企業321社を対象に今年6月に実施した調査によると、その過半数で「印鑑をなくし承認ワークフローをオンライン化する」「紙への署名や紙を配布しての会議をやめる」などのデジタル化に着手済みだ。では、DXを今後、どう進めるべきなのか。その出発点となるのが適切な判断のための現状把握と将来予測だ。藤原氏によると、パンデミック発生後の企業活動は初期対応にあたる「レスポンス」、通常に戻す「リカバリー」、新たな時代を見据えて戦略と戦術を見直す「リニュー」の3つのフェーズをたどるという。現在はこのうち、リカバリーとリニューが混在するフェーズにある。
もっとも、新型コロナによるニューノーマルの世界にあって、「変化が企業に及ぼす影響は、業種や業界、ロケーション、ビジネスのやり方などによってさまざまで、先を見通すことは困難を極める」と藤原氏は語る。コンテンツ配信や食品流通などの事業では、総じてコロナによる特需があったが、店舗主体の流通業では今後、売り上げは元に戻ると考えられる一方、ネット販売やコンテンツ配信は利用者が今後増える可能性もある。
逆に大打撃を受けた業種の中でも、飲食店の売り上げは回復する可能性があるが、ホテルや旅行代理店、スポーツ観戦などの事業は、三密の危険性が指摘される中で厳しい状況が予想される。コロナにより利用が一時的に広く認められたオンライン診療は、これから一般化する可能性が高い。そして、それらはあくまで可能性の話である。
【次ページ】柔よく剛を制すことで比較的反脆弱性を目指す
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