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- 2020/03/03 掲載
シニア転職を成功させる7つのポイント、なぜ最終役職以外「書いてはいけない」のか
楽ではないシニア転職を成功させるために
実際に転職や再就職を考えるシニア自身も、決して転職が楽だとは思っていないだろう。若い頃より苦戦するのがわかっているからこそ、多くの方が焦りを感じるのだ。しかし、その想像を超えるほどの大変さを前回、前々回と紹介してきた。シニアが転職を成功させるには、ひとつのことだけ注意すればよいのではない。業界や職種、これまでのキャリアや条件によっても注意点はそれぞれ違うが、これまでに紹介したものを含め、多くのシニアに当てはまる代表的な注意点を7つまとめておきたい。
これを注意しておけば安心というものではなく、むしろ最低限の注意点として抑えておきたい内容だが、あまりシニアの転職希望者が知らないことなので、転職の成功がグッと近づくかもしれない。
これがシニア転職の7つのポイント
シニアの転職を成功させる上で、最低限抑えておきたい「7つのポイント」は次のとおりだ。- ・表彰歴は書かない
- ・最終役職以外の役職を書かない
- ・在職会社の売上、利益規模、上場非上場を書かない
- ・前職の年収から30%の減少は覚悟する
- ・職歴を3分で説明できるようにまとめる
- ・経験×謙虚さが若さにも勝てる秘訣
- ・若さをアピールせず、熱量を伝える
このうち、表彰歴は書かないことや、最終役職以外の役職を書かない、在職会社の売上、利益規模、上場・非上場を書かないということは、履歴書など応募書類を書く上でのポイントだ。シニアの選考で大きな関門となるのが書類選考であるから、この3つはとにかく重要になる。
年収の減少を覚悟することは、条件面でのポイントだ。そのうえで、職歴を3分で説明できることや、経験×謙虚さ、熱量を伝えるというものは、履歴書にも関係するがどちらかといえば面接時のポイントとなる。
仕事選びや会社選びも要注意!
このようにシニア転職を成功させる「7つのポイント」を挙げると、ほとんどが応募書類と面接のポイントとなっていることが分かる。だが、誤解しないでほしいことが一つある。これは私がシニア転職支援のプロ集団を率いているため、この7つにポイントを絞ってシニアに伝えているだけだ。シニアの方が誰にも相談せず、求人サイトから自分で応募したり、ハローワークなどから応募したりする際には、この「7つのポイント」の他に、仕事選びや会社選びの関門も出てきてしまう。
「定年後は趣味を仕事にしたい」という声もよく聞くが、起業ならいざ知らず、従業員として雇われる場合、若い頃の経験とまったく異なる仕事への転職は、評価もされにくく、採用もされにくい。プロ顔負けの手料理が作れるからといって未経験で厨房の仕事に就けるわけではないし、自動車整備士の免許があってクルマいじりが趣味でも整備士経験がほとんどない場合は、整備工場には入りにくい。
会社選びも難しい。定年を迎えて再就職を考える方や、定年前から定年後を見据えた転職を考える方は、その多くがこれまでの会社の制度や条件、環境と、自身の希望が合わなかった方だ。つまり、次の会社は「もっと自分の希望に合った会社」が望ましいのだが、自分の希望に合っているか入社前には分かりにくい上、違った場合に交渉できるシニアも少ない。
また、その会社が本当にシニアを採用するのかも分かりにくい。ハローワークの求人などは特に、理由がなければ年齢制限をかけられないため、年齢不問の求人も多い。しかし、年齢不問ということは若い人材も応募できる求人であり、シニアも若者も等しく比較されるため、シニアには不利だ。企業の本音ももしかしたら「若者がほしい」と思っているかもしれず、それでは応募しても受かりはしない。
こうした仕事選びや会社選びを簡単に成功させるテクニックは、残念ながらない。徹底した情報収集と交渉、そしてシニア転職の実践経験を積むくらいしか、効果的なものはないのだ。プロであるシニア専門の紹介会社の人材コーディネーターに相談してみるのが一般的な方法だ。あるいは思い切って、企業の人事担当に問い合わせをしてみると、いろいろ教えてくれるかもしれない。
最終役職以外の役職を書かない
さて、「表彰歴を書かない」というポイントは前々回にご紹介したので、今回は割愛する。次の「最終役職以外の役職を書かない」というものも、「表彰歴」と理由は同じで、偉そうな印象を持たれないためのポイントだ。間違っても、定年までの昇進を逐一記載したり、「最年少で昇進」のような話を書いたりしてはいけない。最終役職以外で書くとしても、せいぜい最高位の役職や、定年・役職定年前の役職、あるいは経営者だった時のものくらいになるだろう。役職は評価されないどころか、ただの自慢に取られかねないのだ。
もちろん、職務としてその職位の経験が必要な場合や、マネジメント経験が求められる場合は、役職の表記が有効となる場合もある。たとえば、建設業であれば現場監督として責任を負っていたのか監督補助だったのかで経験内容が異なる。薬局における管理薬剤師なども同様に、むしろ記載の必要がある職位と言える。
また、在職会社の上場・非上場が、求職者の能力に関係しないことはお分かりいただけるだろう。それでも上場企業に在籍していることが非上場よりも優れているかのように履歴書で強調する方が後を絶たない。もし本当に上だと思っていたら論外だし、偉そうな印象を与えないためにも書くべきではない。もちろん、財務部門など上場企業特有の業務がある経歴もあるが、それは職務内容で触れればよいだけだ。
売上や利益はどうだろうか? もし、売上・利益の増大を、その求職者の方が成し遂げたのなら、それをそのまま書くことが成果として分かりやすいだろう。会社全体の売上や利益は別に、その方だけの成果ではあるまい。売上・利益の大きな会社に属していたからといって、その方の評価が高くならないことは、上場・非上場とまったく同じだ。
【次ページ】前職の年収から30%の減少は覚悟する
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