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  • 2020/03/17 掲載

イスラエルテック22社まとめ、「スタートアップ国家」が誇るAI、IoTの最新技術

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面積2.2万平米(日本の四国程度)、人口約900万人と小規模な国ながら、毎年数百を数えるスタートアップが立ち上がり「スタートアップ国家」「中東のシリコンバレー」と称される国、イスラエル。自動運転やサイバーセキュリティ分野に特に強く、高い技術力を生かしたプロダクトが、次々世に出てきています。今回は、2020年1月、ラスベガスで開催されたCES2020のイスラエルパビリオンに出展していた企業22社の概要を、総覧として紹介します。その詳細は自身で確認いただく必要はありますが、きっかけとしてご覧ください。
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イスラエルにはどのようなスタートアップが存在するのか
(Photo/Getty Images)

Allegro.ai:機械学習のプラットフォーム

 Allegro.aiは機械学習のオープンソースツールを提供している企業です。

 同社のプラットフォームを使えば、機械学習によるコンピュータビジョンを、自立走行車やドローン、医療、セキュリティなどの分野に活用できます。さらに、データ管理からモデリング、デプロイ、設置、持続的な学習まで一元的に管理可能です。パートナー企業にはボッシュ、IBM、サムスン、インテル、マイクロソフトなどの企業が存在します。

http://allegro.ai/

ASKA Drive & Fly, by NFT:飛行する電気自動車

 垂直離着陸で飛行もできる電気自動車「ASKA」を開発している企業。ハイブリッドエンジンを搭載したダクト付きファンが14個あり、一部のダクトは方向が変わり垂直離陸、水平飛行が可能となります。

 飛行する際に使用する翼は折り畳んで収納でき、通常の自動車サイズに収まるように設計されています。自動車として道路を走行することも可能です。周囲の障害物を360度探知するセンサーも搭載しています。

 AI駆動で自動飛行が可能でパイロットは不要。車両は最大3人まで収容することができバッテリーは充電式で最高時速150マイル(時速240キロ)です。

 今後、まずはサブスクリプション型のサービスの形式で提供されることが想定されています。また、都市部を対象とするモビリティサービス企業向けへの販売も検討されている段階です。



https://www.askafly.com/

BrandTotal:競合のSNSマーケティングをAIが分析

 AIを活用したマーケティングツール「BrandTotal」を提供している企業です。BrandTotalを使えば、自社および競合他社のFacebook、Instagram、TwitterなどSNSの広告キャンペーンの状態を可視化できます。

 さらに同ツールは、「競合のA社は○○歳~○○歳の顧客をメインに広告キャンペーンを展開しています」と分析した上で、自社はどの顧客層を対象にどのようなコンテンツで広告を展開して行けば良いか、リソースを割けば良いかまで提案します。パートナー企業にはマイクロソフト、サムスン、オラクルが存在します。



https://www.brandtotal.com/

BrightWay Vision:画像を合成処理するADAS開発

 先進運転支援システム(ADAS)向け前方監視運転支援システムの開発と製造を行っている企業。

 現在、前方監視運転支援システムの主流となっている可視光カメラには、天候の影響を受けやすい上に単眼では正確な距離測定ができない課題があります。BrightWay Visionの「ゲーテッドイメージング技術」はその課題を克服します。

 「ゲーテッドイメージング技術」は任意の距離の画像を撮影、合成処理して画像情報を取得する技術で、単体の画像だけでは得られない情報が得られます。夜間撮像にも優れ、雨や霧などの天候の影響も受けにくく、単眼でも距離測定が可能です。

 BrightWay Visionは2015年12月から日本の小糸製作所と共同研究を行っています。2019年6月25日には小糸製作所がBrightWay Visionの株式を2400万ドル(約25億8000万円)で取得し小糸製作所の出資比率は36.92%となっています。

https://www.brightwayvision.com/

Bzigo:蚊を見つけてレーザーポインタを照射

 コンピュータビジョンで蚊を発見するデバイスを開発している企業。

 BzigoはHD赤外線カメラを搭載し、マイクロプロセッサに仕込まれたコンピュータビジョンによって蚊を発見します。赤外線により暗闇でも使用可能で、最大8メートル圏内の蚊を見つけます。

 蚊を発見すると、Bzigoはユーザーのスマホアプリに通知を送り、動きを止めた蚊にレーザーを当ててその居場所をユーザーに知らせます。ユーザーはレーザーが向かっている先をたどり蚊を仕留めることができるというわけです。

 将来的には小型ドローンで蚊を殺傷するシステムの開発も検討しているとのこと。

https://bzigo.com/

Chakratec:電気自動車の充電を高速化

 電気自動車の充電ステーション向けに、充電を高速化するブースター「Kinetic Power Booster」を開発している企業。「Kinetic Power Booster」はフライホイールバッテリーを採用しており急速な充放電が行える上に劣化が少なく、20年以上の耐久性を誇ります。

 現状の電気自動車のインフラはまだ十分とは言えず、郊外では充電ステーションの数が少なくなるだけでなく、充電に長い時間がかかる充電ステーションも見られます。「Kinetic Power Booster」は5時間かかっていた充電時間をわずか10分に短縮することができるといいます。


https://www.chakratec.com/

Ciphersip Systems:特許技術で車両等のセキュリティ強化

 Watermark(透かし技術)を使用することで、ネットワークの安全性を高めている企業。  

 従来、車両や工場に設置されている機器・部品同士はネットワークでつながっているものの、相手を確認する認証技術は存在しませんでした。そこでCipherSipはネットワークの通信容量を拡張した上で、Watermark(透かし技術)の特許技術によって送信者を識別することを可能にしました。

 CipherSipの認証技術を組み込むだけで、元々のオリジナルのメッセージ(プロトコル、データサイズ、タイミングなど)には変更を加えることなくデータを保護でき、外部からハッキングされるリスクを低減します。

https://www.ciphersip.com/

DataGen:AI訓練用の画像生成

 AIアルゴリズムの一種である敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Networks=GAN)によってリアルなイメージデータを生成している企業。

 人工知能(AI)を訓練するのには大量のデータが必要ですが、スタートアップの中にはデータのための資金を用意できない企業もあります。そこで一部の企業は合成されたイメージデータをAIの訓練に活用するようになっています。

 DataGenはGANを用いて、そのAI訓練に使うリアルなイメージデータを生成し販売しています。データの販売先としてはAIを訓練する必要のある産業、たとえばAR/VR、ロボット、 自立走行車、 無人ストア、セキュリティ、IoTなどが挙げられます。

https://www.datagen.tech/

Edgybees:ドローン×ARで災害時の現場確認

 ドローン向けのAR技術を開発する企業。

 ドローン搭載カメラが撮影している映像に、リアルタイムでARコンテンツを重ねる技術を開発しています。主に災害や事故の際の現場確認に利用する用途が想定されています。

 現在、災害におけるドローンの活用の仕方としてはドローンを派遣し搭載カメラの映像を通して状況を確認し対策を練るのが一般的ですが、Edgybeesはドローンが撮影した映像に、道路名や住所などの情報をリアルタイムに表示できるアプリを提供。これにより、映像を見ながらリアルタイムで救助隊に具体的な指示を出すことが可能となります。

 同社のアプリは災害の救援用のみならず軍事用、産業用、ブロードキャストへの活用も想定されています。


https://edgybees.com

Firedome:IoTデバイスを24時間監視

 IoTデバイス向けのセキュリティソリューションを提供している企業。コネクテッドデバイスが抱えうるネットワークの脆弱性を突く脅威への完全性を高めます。

 同社のセキュリティプラットフォームは、24時間体制でIoTデバイスの脆弱性や不正ネットワークなどの脅威をモニタリングして問題を検出します。ランサムウェア、マルウェア、車両のハイジャック、クリプトジャッキングなどに対して、問題が起きる前に対処します。スマートホーム、産業分野向けIoT、企業向けIoTなどへの活用が想定されます。

https://firedome.io/

Hi Auto:唇の動きを捉えて音声人市域

 AIを活用した、精度の高い音声認識システムを開発している企業。

 同社の音声認識システムにはカメラが搭載されており、話者の唇の動きを撮影。ディープラーニングアルゴリズムを活用することで、話している人の会話内容だけを音声認識できるようにしています。車内での会話やビデオ通話などにおいて、雑音を遮断して話者の音声のみを正しく拾うための用途で活用できます。

 またスマートホームのデバイスに搭載する用途も想定されています。たとえばスマートスピーカーではコマンドではない音声、たとえばテレビの音声に誤反応してしまうことがありますが、Hi Autoを活用すれば話者の音声だけを拾えるため、こうした誤反応を防ぐことができます。


https://hi.auto/

【次ページ】ここまで11社、次ページから後半11社を紹介
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