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  • 2019/11/26 掲載

日本企業×エストニアスタートアップ 敬遠されない3つのコラボ成功術

連載:エストニア進出虎の巻

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以前、別メディアで「勉強」「表敬訪問」目的で訪れる日本企業がエストニア企業の時間を奪ってしまい、敬遠されているという趣旨の記事を書いたところ、反響を得た。幸い、2019年後半に入ってから潮目が変わり、最近は多くの日系企業がビジネスありきで訪問している。ここ数ヶ月でもニチガス、リクルート、丸紅など多くの企業がエストニア進出や投資、現地企業とのパートナーシップを発表した。では日本企業はどのようにして、海外スタートアップとの関係を構築すべきなのか。実際に筆者が拠点を構えているエストニアの例をとって、成功術を洗い出していこう。
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エストニア企業とのコラボを成功させたいなら3つのコツを実践しよう
(イメージ写真出典:brand estonia)

エストニアへのアクセスと滞在費用

 まず、エストニアへのフライトは、フィンエアーをオススメする。東京・成田に加えて、北海道(冬季のみ)、名古屋、大阪、福岡(夏季のみ)からそれぞれヘルシンキ便が就航しており、ヘルシンキからはわずか30分のフライトで、エストニアの首都・タリンに降り立つことができる。

 2020年3月からは羽田-ヘルシンキ便が就航することも発表され、ますますアクセスが良くなることが期待される。乗り継ぎを含んだ最短所要時間も約12時間で、これは、成田-ロンドン間の移動の所要時間より短い。

 渡航費はエコノミークラスが15万円前後で、プラス95ユーロ(約11,400円)で利用できるエコノミーコンフォートクラスでは、足元に余裕ができて快適だ。なお同クラスでは、日本人に人気のマリメッコのポーチをアメニティとして貰うこともできる。

 ホテルは1泊1万円前後のものが多いが、日本人に人気なのは、5つ星のヒルトン、スイスオテル、そして4つ星のラディソン・ブル・スカイといった上位クラスのホテルだ。どこも市街地から徒歩10分圏内にある。

 現地での移動はエストニア発のライドシェアリングサービスであるBoltが便利で、大抵の移動は10ユーロ(約1,200円)以内に収まる。同サービスはエストニア人の足としても機能しており、追加料金を支払うことで利用できるハイクラスプランではTeslaが迎えに来てくれることも。

 出張費のトータルとしては、期間にもよるが、一人あたり30万円のコストを見積もっておけば十分だろう。

 さて、エストニアの地に無事降り立つことができたら、待っているのは本丸・ビジネスミーティングだ。その際、気をつけるべきポイントを3つに絞って解説したい。

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(1)事前に自己紹介を済ませておく

 筆者がビジネスマッチングを依頼されるときには、必ずエストニア訪問前に1時間、時間を確保していただき、訪問先の企業のプロフィールを共有する。なれない英語で50%の理解度で商談を終えるぐらいだったら、事前に時間をとって母国語でインプットをする方が効率的だ。

 同様に、自社の事業概要を英語資料で作成することもお願いしている。その資料もエストニア企業に対して事前に共有し、お互いが自己紹介を終えている段階で、商談に入れる状況を事前に構築する狙いだ。勿論冒頭にカジュアルな自己紹介はあるが、商談の大半をディスカッションに費やすことができ、その中から生み出されるアイディアやビジネスプランこそに価値があるといえるだろう。

(2)3ヶ月以内で実行できる“貢献”を提示する

 エストニアのスタートアップは日々バーンレート(注:会社を維持するために必要な1ヶ月のコスト)と日々戦っている。資金がショートする前に資金調達をする必要があり、そのためには与えられた期間の中で成果を出す必要がある。1秒足りとも無駄にできる時間はない。

 だからこそ、対峙する日本企業にも「成果に繋がる貢献」が期待されている。サービスの大口顧客として利用するのか、資金提供なのか、はたまた日本進出の支援をするのか。何かしらの形で彼らの企業価値向上に繋がるアウトプットが要求されている。それも「そのうち」ではない。大抵の場合は3ヶ月、悠長な企業でも6ヶ月スパンでビジネスプランを立てており、その意思決定スピードに合わせて、次のアクションアイテムを定義することが要求されている。勿論、ビジネスである以上ミスマッチが発生してしまうのは致し方ないが、その際は率直にフィードバックをすることが、時間とリソースが限られているエストニア企業のためになるだろう。

(3)意思決定者をミーティングに参加させる 

 エストニアの企業を訪問すると、大抵のケースでCXOクラスが出席する。彼ら意思決定者は、その名の通りミーティングの結果次第で次のステップに繋がるビジネスプランを決定することができる。一方、日本企業は現場の新規事業担当者などが出席するケースが多く、そこに意思決定の早さの乖離が生じてしまっているのが現状だ。「次回以降に役員を同席させます」ではなく、1回限りの訪問で意思決定を下せるように、初回から意思決定者が同席することが好ましい。

【次ページ】エストニア人とのコミュニケーションのコツ
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