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スマートフォンの普及とSNSの浸透とともに、スマートフォン広告市場が大きく伸びています。中でも、ユーザーに短時間で多くの情報を伝えることができる動画広告の市場が大きく伸び、2022年には、インターネット広告市場の約半分を動画広告が占めるといわれています。しかし、いまだに動画広告に取り組めていない、あるいは、効果テクな動画広告を配信できていない企業もあるだろう。そこで、コストをかけずに効果的な動画広告を作る方法を解説する。
動画制作コストがかさむ3つの理由
近年、クリエイティブの重要度が上がっています。なぜなら、広告プラットフォーマーは、入札やテストなどの配信の自動化を推進しているからです。つまり、クリエイティブを最適化することができれば、パフォーマンスを出すことができるということです。
一方で、広告担当者は動画制作コストの重さに悩んでいます。理由は大きく3つあります。
1つ目は、「運用型広告はPDCAが必須」だからです。動画広告は運用型広告といわれるSNSやアドネットワークで主に配信されています。運用型広告でパフォーマンスを上げるには、基本的にはターゲティングとクリエイティブのPDCAサイクルを回していくことが求められます。テレビCMと違い、動画広告ではCVRやCTRなどの結果や再生時間などが取れます。なので、反応を分析して、さらに良いものへ改善していくことができます。
つまり、動画広告では作成、配信、効果測定、改善というPDCAのサイクルを高速で回せるのです。そして、こうした状況で他社がPDCAを回し続けるなら、自社も高速でPDCAを回し続けるしかないのです。コストが予算と合わなければ、ABテストや多変量テストを何度も行うようなPDCAを回すことができません。「勝てるクリエイティブ」を見つけるためには、本数が必要になります。
2つ目は、「広告配信先によりユーザーの視聴態度が違う」からです。1日中触れるスマホ。コミュニティ別に使い分けるSNS。趣味趣向によるアプリ。スマホ内の広告の配信面は多様化しています。
たとえば、1人とユーザーがFacebookを主にお仕事上のお付き合いや情報収集に使い、Instagramでは趣味で作った料理の写真を公開し、YouTubeで好きなユーチューバーのコンテンツを空き時間に楽しんだりしています。広告の観点からいうと、「SNS=配信面」といえるわけですが、ユーザーは配信面により視聴している時間帯や感情、求めている情報が異なります。
そして、配信面によりメインとなるコンテンツが異なります。Twitterであればテキストですし、Instagramであれば写真や映像です。そのため、配信面ごとに異なるUI/UXを意識した表現が求められています。また、配信面により正方形や縦型などのサイズや尺なども異なるため最適化が必須です。そして、各配信面向けにクリエイティブを作り分けるために、やはりクリエイティブの本数が必要です。
3つ目は、「クリエイティブは疲弊する」からです。同じ広告を何度も見ていると
しつこいと思うことがあるでしょう。最初は気になった広告も、何度も見ていると飽きてきます。情報量が多い動画は良くも悪くも印象に残りやすいため、この部分には十分に気をつけなければいけません。
同一の広告が同一のユーザーに当たった回数をフリークエンシーといいます。一般的には5回あたりからストレスを感じると言われています。そのため、同じクリエイティブを出し続けるとパフォーマンスが落ちてきます。なので、定期的に新しいクリエイティブを追加していくためにクリエイティブの本数が必要です。
このように3つの理由から、動画広告のクリエイティブの本数が必要になり、制作コストがかかることになります。しかし、コストを下げる手段はあります。
動画制作のコストは下げられるのか?
ほんの数年前までは、動画をつくるとなれば、映像やCM制作プロダクションなどに外注し、数十万円以上のある程度まとまった金額が必要でした。また、広告代理店などでは自社でクリエイターを雇用したり、フリーランスのクリエイターをネットワーク化し制作をすることなどもありました。
それが近年では、だんだんとWeb動画に特化した格安の制作会社や動画クリエイターをネットワーク化したクラウドソーシングで動画制作を発注するという手段が一般的になり、制作コストの課題の解決法も多様になってきています。
さらには、直感的に品質の良い動画がつくれるアプリや、知識不要で動画を作成できるツールが登場し、1本数千円レベルで作成できるような方法も登場してきており、クリエイティブの質が担保されて、より安価で、大量に動画広告を作成できるという理想が現実になっています。
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