- 会員限定
- 2016/12/28 掲載
GE、楽天のイントラプラナーとイノベーションを生み出す「戦略人事」とは
本来の「人事部」の存在意義とは
企業において、人事部は間接部門の位置づけにあるだけに、どうしても他部門に対する「御用聞き」になりがちだ。しかし、本来の人事部はそれではだめで、他部門から何らかの要請を受けた場合、できることはできる、できないものはできないという姿勢で臨む必要がある。もちろん、できないことをただ押し返すだけでは摩擦を生むだけだ。「なぜできないのか、納得できるように説明することが大切です」と藤村氏は説く。
企業はカネの結合体であると同時に、ヒトの結合体でもある。重要な経営資源としては、ほかにもモノや情報が挙げられるが、まずはカネとヒトの両輪がしっかり連動して回っていないと企業は存続できない。
たとえばリストラを断行してヒトを減らせば、一時的に利益は上がるかもしれない。だが、そのツケがあとから回ってきて、2~3年後に経営状態はかえって悪くなってしまう恐れがある。カネとヒトは、しばしばトレードオフの関係になるが、最適なバランスを取りながら両立させていかなければならない。これを考えるのが人事部なのである。
GEに学ぶ「人事部のリーダーシップ」
GEといえば、航空機エンジンや医療機器、産業用ソフトウェア、鉄道機器、発電および送電機器などを主力事業として手がける超巨大企業として知られる。全世界の約180か国でオペレーションを展開し、社員数は約33万3000人。総売上高は実に約1,174億ドル(約13兆円)に達する。この強大な収益力を維持し、さらに高めていく上で重要な役割を担っているのが戦略人事なのだ。
GEジャパンの人事部長を務める谷本美穂氏は、「ビジネスの成長のために人事部が何をなすべきかを考えて追求する試行錯誤を、日々繰り返しています」と語る。同氏が特に注力している施策として挙げるのが、組織開発と人材開発である。
この取り組みを支えるべくGEでは「ピープルレビュー」という全社的なシステムを整備しているという。個々の人材に対して、業績、リーダーシップ、ポテンシャルなどの徹底的なタレントビューを行うものだ。優秀なタレントの育成プラン、パフォーマンスが望ましくない人材へのアクションプラン、重要なポジションの育成プランなどが、このタレントビューに基づいて策定されるのである。
この背景にあるのは、GEの人材マネジメントにおける「リーダーシップ・デベロップメント」への強いこだわりだ。「社員全員がリーダーシップを発揮する」ことがGEバリューとして定義されており、人事部がこの目標に向けた1人ひとりの成長を主導しているのだ。
実はGEの人事部は、そもそも人事権を持たない。あくまでも人事の立ち位置は、ビジネスの成長を支えるパートナーなのだ。だからこそ人事の取り組みには、全社的な事業戦略との一貫性が求められる。
リーダーにしかリーダーは育てられないだけに、「信頼される人事になるためには、人事こそがリーダーシップを発揮しなければなりません」と谷本氏は強調する。この基本思想こそがまさに、GEにおける戦略人事の根幹となっている。
【次ページ】これから日本企業が目指すべき「戦う人事」とは
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました