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- 2016/06/10 掲載
デロイト トーマツはなぜ横浜市に「セキュリティ拠点」を開設したのか
グローバルで脅威に対応
CICとは、顧客のインフラ環境を、サイバー攻撃の脅威から守る拠点であり、24時間365日のセキュリティ脅威分析を行う。デロイトは世界20カ国以上でCICを擁しており、グローバルで3,500人以上のサイバーセキュリティ対応専属スタッフが働いている。すでに、46ヵ国で2,500プロジェクト以上の実績があり、各拠点が相互に情報を提供し合い、自国の顧客に対して最適な情報を提供している。
日本において同社は、2015年9月よりサイバーインテリジェンスサービス(CIS)を提供しているが、今回のセンター開設で、新たに「スレット セキュリティ モニタリング プレミアム」と「エンドポイント スレット コントロール」のサービスメニューを追加した。
横浜市は「オープンデータ活用ビジネス化支援事業」など、産官学連携によるIT産業の振興に注力している。将来的には、市内の大学や研究機関と連携し、セキュリティ分野での共同研究・事業化も視野に入れているとのことだ。
分析を外部に委託しない重要性
デロイトのサイバーリスクに対するアプローチは「予防(Secure)」、「発見(Vigilant)」、「回復(Resilient)」に大別される。外部・内部からの脅威に対して情報資産を監視・防御することは当然だが、攻撃された場合の事態を想定し、素早い発見と迅速な対応が不可欠だ。そして、ビジネスを止めないよう回復させる。
前述のように、すでに日本のデロイトでは、産業・顧客に特化したリサーチおよび脅威情報を提供する「スレット インテリジェンス アナリティクス(TIA)」と、産業特有の環境に考慮したビジネス志向の監視サービスである「スレット セキュリティ モニタリング(TSM)」を提供している。センター開設で新たに追加されるサービスは、「TSM Premium」と「エンドポイント スレット コントロール(ETC)」だ。
SIEMの分析ルールは、顧客のリスクに応じて適用する。また、取得したログの保存期間は顧客が決定できるという。
ETCは、TSMのオプションとして提供される。具体的なサービスは、クライアントPCを監視し、インシデントが発生した場合はリモートからフォレンジック(調査・回復・影響範囲の特定など)を実施して、再発防止のためのリポートを提出する。また、セキュリティパッチの適用状況を可視化し、適用を支援するサービスも行う。
泊氏はデロイトCICの強みとして、「グローバルで脅威情報を共有しつつ、日本国内の顧客対応は、すべて自前で実施する。分析の一部を外部に委託するようなことはしない」と訴求した。
【次ページ】なぜセキュリティの拠点を横浜みなとみらいに開設したのか
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