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- 2015/11/26 掲載
新しい習慣を身につけるのに必要な日数は? オリンピック金メダリストを生んだ教育法

すべてに「規律正しくなる」必要はない!
「規律」は「習慣」と強く結びつき、成功の土台になる。自分を律するというのは、特定の行動が取れるよう自分を訓練することだ。それをつづければ、やがて日課に、つまり習慣になる。
だから、「規律正しく」見える人がいたら、本当はその人は日常生活でいくつかの習慣を身につけた人なのだ。そうした習慣によって、実際はそうでなくても「規律正しく」見える。本当に規律正しい人などいない。
そもそも、そうなりたい人などいるだろうか? あらゆる行動を型にはめ込み、訓練によってそれを維持するということは、とうてい不可能であり、また、ひどく退屈にも思える。
成功するために規律正しい人間になる必要はない。事実、一般的に考えられているほどすべてに規律正しくなくても、成功することはできる。理由は単純だ。成功するためには正しいことを行う必要があるが、すべてを正しく行う必要はないからだ。
成功の秘訣は、正しい習慣を見きわめ、訓練してそれを自分のものにすることだ。それだけだ。その習慣が生活の一部になれば、規律ある人に見えるようになるが、本当にそうなるわけではない。
目指すべきは規律正しい人ではなく、日常で役立つものを身につけた人であり、それは日常的にそれに取り組むことで獲得できる。有用な規律を選んで実践し、効果的な習慣を身につけるのだ。
アテネ、北京、ロンドンと、オリンピック3大会で18個もの金メダルを獲得した元競泳選手のマイケル・フェルプスは、子どものころ、注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断された。幼稚園の先生は母親にこう言った。「マイケルはじっと座っていることができません。静かにしていることもできない…素質がないんです。息子さんはどんなことにも集中することができないでしょう」。
しかし今日、母親は「マイケルの集中力にはびっくりさせられたわ」と話す。どうやってそうなったのか? 「どんなことにも集中することができなかった」少年が、どうやってこれほどのことをなしとげたのか?
フェルプスは自分にとって有用な規律を身につけたのだ。
14歳のときから北京オリンピックまで、フェルプスは週に7日、1年365日、練習をしてきた。毎日6時間は水の中にいた。フェルプスは一つの規律に全力を注ぎ、それが習慣――毎日泳ぐこと――になったといえるだろう。

マイケル・フェルプスはプールで自分のスイートスポット、つまり核となるものを見つけた。やがて、そのための規律を見つけることで、人生を一変させる習慣を身につけたのである。
【次ページ】 習慣の力をうまく活かす3つのポイント
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