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- 2015/05/15 掲載
ミスター円・榊原英資氏インタビュー:官僚の仕事力に必要なのは「ワル」であること
日本の官僚機構のトップに君臨する財務省
──今回、榊原さんが本書を執筆されようと思ったきっかけを教えて下さい。
──財務省の役割についてお聞かせ下さい。財務省は本省とは別に、別組織として国税庁を擁しています。なぜ、財務省は「省庁の中の省庁」と呼ばれているのでしょう。
榊原氏:各省庁予算編成という歳出と、徴税という歳入を一手に担っているからでしょう。また、金融庁と分かれる前は財政と金融の両方を司っていました。その意味で、「省庁の中の省庁」と呼ばれるのだと思います。
──1998年に金融監督庁(現:金融庁)が財務省から分離・独立しました。
榊原氏:金融庁ができたのは、1998年に4人の逮捕者を出した大蔵省接待汚職事件に端を発しています。当時の橋本首相が大蔵省を財務省へと名称変更し、さらに金融業務の切り離しを指示しました。しかし、分離・独立後も財務省と金融庁は盛んに人事交流を行って、密接に連携しています。金融と財政が相互に連携して政策を実施した方がうまくいくという点からも、私は分離すべきではなかったと思っています。
榊原氏:日本銀行は政府から独立した中央銀行で、「物価の安定」と「金融システムの安定」が主な役割です。具体的には、お金(日本銀行券)の発行や管理、政策金利の操作などによる金融政策の実行などで、その政策は「政策委員会」によって決定されます。
財務省所管の認可法人という意味では財務省との関係は深く、かつては、財務省の事務次官と日銀出身の人が交互に日銀総裁を務める暗黙のルールがありました。また、政策委員会にも議決権はないものの、財務大臣やその使命を受けた財務官僚が出席し、意見を述べることができるようになっています。
──昨今の日銀の黒田総裁の金融政策についてはどう評価しますか?
榊原氏:私は黒田さんとは親しいので、コメントしづらいですが(笑)、異次元の金融緩和にも成功しましたし、今のところ大きな役割を果たしていると思います。
【次ページ】 財務省内の「歳出」と「歳入」を担うのが主計局と主税局
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