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- 2015/04/24 掲載
蕎麦は打てずとも味わえる、決算書は作れずとも読める
公認会計士からの助言その2
料理を食べる人には、作るための知識は要らない
お蕎麦を例にとるならば、お蕎麦の基本は二八蕎麦です。
そば粉八割に対して、つなぎ(割り粉)である小麦粉を二割でそばを打ちます。蕎麦打ちは、「二八に始まって二八に終わる」とも言われるほどです。
蕎麦打ちはスピードが大事で、ゆっくり打つと生地が乾いて失敗の原因になります。
水回しから切りまでは約30~40分が目標です。一つひとつの作業を正確にスピーディーにこなせるよう、とにかく体に覚えこませる。そのためにも何より回数をこなすことが重要なのだそうです。
このような知識は、蕎麦を作る人には必要な知識ですが、蕎麦を食べる人には不必要な知識です。蕎麦の作り方を覚えていないと、お蕎麦を美味しく食べられないということはありません。
皆さんの大多数は、お蕎麦の作り方を知らないのに、お蕎麦の味の良し悪しがわかる方はゴマンといるはずです。当然です。
決算書を読む人に、決算書を作るための知識は要らない
決算書もこれと同じです。決算書を読むには、決算書を作るための知識は要らないのです。
お蕎麦を食べるときは、これをそのまま口に入れるのではなく、いったんそばつゆに浸して食べるほうが美味しくなります。
そして、そのそばつゆには、予め、少量のネギやワサビを入れておいたほうが、お蕎麦が美味しくなります。
決算書も、これと同じです。
お蕎麦にも食べ方があるように、決算書にも読み方があります。
それが、前回もお話した「真っ先に下を読む」ことなのです。
【次ページ】 損益計算書で肝心なのは、ほんのこれだけ
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