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- 2014/06/10 掲載
インテリジェント・データセンターとは何か?データセンターはビジネス加速エンジンへ
現在のデータセンターは、柔軟性とコスト面で大きな課題を抱えている
データセンターの構築を考えた時、今から数年前なら、電力や冷却方法をどう確保すればいいか、あるいはグリーン対策はどうすればいいかというような、主にファシリティや環境配慮といった点が重要視されていた。しかしその後、ユーザー企業からの問い合わせ内容が大きく変わってきたと、ガートナー ITインフラストラクチャ&データセンターサミット2014で登壇したカプッチオ氏は説明する。
「データセンター戦略をどうやって構築すればいいのか、そのアドバイスをしてくれと言われるようになってきた。自社のグローバル展開やDR対策、あるいは5年後、10年後のクラウドの影響も考慮に入れた長期的なデータセンター戦略だ」
ガートナーが世界の数千社のCIOに、現在どんな課題があるのかを毎年聞いている今年の調査結果によれば、今回挙がってきた回答として、未知なるものへの計画やITリソース需要の拡大、新しい市場/新しい機会/絶え間ない変化などがあるという。
またあらゆるIT部門が長年抱えている課題として、長期的な設備投資の制約が挙げられる。
「特に景気低迷の中ではなかなか予算も確保できない。そこで出てくる視点としては、既存のインフラをどうやってよりよくするか、あるいは耐久性を高めるにはどうすればいいかということ。OPEX(Operating Expense:運営費)を最適化することを考えていく必要がある」
こうした中で求められているのが、「インテリジェント・データセンター」だ。
物理的リソースを有効活用して長期的にコストを下げる
「色々な調査を行ったが、IT予算の実に4分の3が、とにかく電気を点けておくなど、データセンターをずっと稼働させておくということに対して使われている。そこでIT部門はこの予算を有効活用できないか、たとえば陳腐化した設備をもっと速くリフレッシュすることに使えないかということを考えている」
現在ではそれが新しい技術によって、可能になってきているという。
「これまでのIT部門では、コスト削減というと人的な資源に関心が向いていた。それが今では物理的なリソースをさらに効率的に使うことによって、長期的にコストを下げるというやり方にシフトしようとしている」
しかしカプッチオ氏は「ただしこうしたやり方は、今までと違った考え方をしなければならない」と釘を刺す。
「IT部門の人は、画期的な考え方をすることが苦手。サーバの担当なのでサーバしか関心がないとか、自分はストレージのチームなので、あるいはネットワークのチームなのでという発想になる。IT予算全体を俯瞰した上で、コスト削減を考えられる人材が必要だ」
【次ページ】データセンターの最終目標
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