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- 2014/03/17 掲載
なぜエンタープライズITでHTML5が注目されているのか?Web業界のキーパーソンが議論
いま、なぜHTML5が注目されるのか?その背景と理由
パネルディスカッションに登壇したのは、Web技術者コミュニティ「html5j」を運営する白石俊平氏、「RIAコンソーシアム」の理事でマイクロソフトに所属する春日井良隆氏、エンタープライズITとWeb標準の今を発信する「html5jエンタープライズ」の川田寛氏。またコーディネータをHTML5 Experts.jp副編集長の仲 裕氏が務めた。口火を切ったのは春日井氏だ。同氏は「最初にHTML5が受け入れられたのは、プラグインが不要だったことが大きな理由だと思います。特にエンターテインメント系のクリエイタの世界で受けたのが出発点。canvasタグやvideoタグがあれば、もうFlashやSilverlightもいらないというぐらい、もてはやされました。そしてInternet Explorer(以下、IE)9やIE10が出たころぐらいからAPIも充実し始め、そのあたりからエンタープライズ分野でもHTML5が使えるのでは?と注目を浴びてきました。もともとエンジニアはオープンソースを好きな人が多いため、オープンな仕様のHTML5は心理的にも受け入れられる素地があったように感じています」と説明した。
html5jの管理人である白石氏は、「まずWebで動画を見たい、という世の中のニーズがありました。それまでもWeb画面をリッチにしたいという要求に応えるために、IE側で独自実装を試みてきたのですが、なかなか標準化が追いつかず、うまく浸透しませんでした。そのため、とりあえずベンダー側でプラグインによって対応することになったわけです。次に“標準”という舞台で、ユーザーニーズに応えられる技術としてHTML5が登場した、という流れだと思います」と、この6年間を振り返った。
Web標準技術やエンタープライズITに詳しい川田氏は、「やはりプラグインが使いづいらいという問題が根底にあったと思います。2010年前後に、アップルがFlashの非対応を発表しましたが、当時Flexでシステム開発に携わっていた私は大変な目にあいました(笑)。さらにHTML5が受け入れられたのは、マルチデバイスへの対応が大きいと感じています。その背景として“MEAP(ミープ)”という概念がガートナーから提唱され、数年前からIBMやSAPなどの大手ベンダーでも提供され始めたことが挙げられます。MEAPはリッチな画面づくりに役立ちますが、開発だけでなく、運用管理、バージョンアップなど、アプリケーションのライフサイクル全般をカバーしており、多くのコンシューマ系モバイルデバイスを業務システムで容易に利用できるプラットフォーム(ツール)で、今後特に注目するべき概念だと思います」。
【次ページ】上場企業2000社のHTML5の浸透割合は?
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