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  • 2014/02/25 掲載

日本の飲食店ビジネスを変える?リアル店舗での非対面決済サービス

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日本の飲食店で今、「対面店舗での非対面決済」が始まっている。対面店舗での非対面決済──これは即ちこういうことだ。飲食店で飲み食いをしたら、必ずその後に「お会計」がある。お会計は人手も手間もかかるし、従業員にお金を管理してもらう必要もある。そこで券売機があったり、プリペイドカードがあったりしたわけだ。では、それならいっそスマートフォン上で(非対面で)決済を済ませてしまえないか、というのが「対面店舗での非対面決済」の考え方だ。スマートフォンから店外で注文し、店に着くと店員が「顔パス」でうやうやしく出迎えてくれて、テーブルに着席するころには、あらかじめ注文した熱々のハンバーグが運ばれ、そして食事が終わったら待たされることなく帰ることができる。もしそうなれば、店にも利用者にもハッピーだろう。今回は、O2O技術の成熟化に伴って登場してきた「ウォレットサービス」の最新活用動向を紹介しよう。

世界的に進む「ウォレットサービス」活用

 世界最大級のICカードに関するイベント「CARTES 2013」が2013年11月にパリで開催された。

 世界の端末ベンダーや関連企業が集う展示会として数多くのソリューションやハードウェアが展示されていたが、次世代のサービスとして注目を集めたソリューションの1つが「ウォレットサービス」だ。

 たとえば、ポスターなどから直接「QRコード」をスマートフォンなどでスキャンして、チケットや商品を入手できる「hexa pay」、フランスのスーパーマーケット「AUCHAN Faches-Thumesnil」で採用されたモバイルウォレットサービス「Flash'N Pay」といったサービスのデモが行われていた。

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「hexa pay」のデモ。フランスの数多くの映画館で利用される予定

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モバイルウォレットサービス「Flash'N Pay」のデモ。店舗では決済端末表示のQRコードを読み取り認証を行う
 利用者は、銀行のカードをスマートフォンに登録し、PINコードを設定すると、スマートフォン一台で便利に決済が可能だ。以前の記事でも紹介したように、ウォレットサービスは当初、「ISIS(Verizon、AT&Tらが立ち上げたモバイル決済のジョイントベンチャー)」や「Google Wallet」、シンガポールの「Smart Wallet」といったNFC決済サービスが話題になることが多かったが、ここ最近ではそれに加え、リアル店舗で「非対面決済」が行えるソリューションが注目を集めている。

 国内のクレジットカード決済サービスでは、リアル店舗を中心とした「対面決済」とPCや携帯電話・スマートフォンなどのeコマースサイトによる「非対面決済」は分別されており、それぞれ別の契約が必要となる。

 契約の審査や手数料は加盟店の業種・業態ごとに異なり、加盟店契約を行うアクワイアラー(加盟店契約会社)が対面・非対面双方の開拓を行っている場合でも、それぞれ別に契約する必要がある。元来、両者の性質は異なっていたので従来は問題なかったが、ここに来て国内でも“リアル店舗での非対面決済”が徐々に登場してきた。

スマートフォンで注文、テーブルまで配膳

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「ZNAP」はアプリ内決済に加え、レジに添付されたQRコードで読み取り決済を行うことが可能
 東京・六本木交差点にほど近い「QRBAR」では、“対面店舗での非対面決済”を可能にするスマートフォン決済サービス「ZNAP(ズナップ)」を利用した事前オーダー、決済が行われている。

 同店を利用するにあたって、事前にZNAPというアプリをダウンロードし、一度クレジットカードを登録してしまえば、スマートフォン一台でメニュー閲覧から注文、決済までのすべてを行うことが可能になる。

 注文した商品は指定のテーブルまで運ばれるため、店員をオーダーの都度、呼ぶ必要もなく、飲食後の財布やクレジットカードの用意も不要だ。

 QRBARを運営するダイヤモンドダイニングでは、他のシステムも検討したそうだが、店舗の改装以外のコストはそれほど必要なく、顧客に便利に繰り返し利用してもらうことが可能なシステムであることからZNAPの採用を決めたそうだ。まずは、オーダーシステムのみの利用となるが、今後はクーポンやポイントなどのサービスも検討しているという。

 ZNAPを開発したMPayMeグループCEOのアレッサンドロ・ガドッティ氏は、「我々は単純に決済だけを提供しているわけではなく、(店舗運営の)ビジネスプラットフォームを提供しています」と口にする。

 あくまでも店舗とその顧客との関係を深めるシステムとしてZNAPを提供しており、決済だけにこだわらず、ポイントやクーポンなどと絡めた販促活動やCRMサービスの提供、コストの削減なども提案している。

 すでにZNAPは、インドネシア、英国、米国など世界9カ国でサービスを展開。同氏は、「登録者はもちろん、実際にサービス利用されている方がどのくらい存在するのかが重要です」と説明したうえで、「海外では、ZNAPをダウンロードしたユーザーのうち85%が日常的にサービスを利用しています」と自信を見せる。

【次ページ】日本企業もサービスを開始
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