- 2013/03/28 掲載
企業向けスマートモバイルアプリ市場、44.7%の大幅増 CRMやBIが主流
本調査では、ユーザー企業に対するアンケート調査とソフトウェアベンダーを中心とする開発者へのアンケート調査の両面から、スマートフォンおよびタブレットで稼働する企業向けアプリケーションの利用実態と同アプリケーション開発の実態について調査した結果を分析している。
現在、ユーザー企業において、スマートフォン/タブレット向け業務アプリケーションの提供計画があると回答した企業は全体の1/4に満たない結果となった。
提供計画があると回答した企業に対し、提供予定の業務アプリケーション分野を聞いたところ、「営業支援/顧客関係管理(CRM)」のほか、情報系の「メール/スケジュール管理」「ドキュメント/カタログ管理」「社内ソーシャルネットワーキング」「コラボレーション/カンファレンス」「ビジネスインテリジェンス/アナリティクス」に回答が集まる傾向が見られたという。
この結果を、IDCでは既にモバイル対応の業務アプリケーションが存在するかどうかが、ユーザー企業の具体的な計画に影響していると分析している。
また、提供計画における稼働プラットフォームをたずねたところ、スマートフォンではAndroidがiOSを上回り、タブレットではiOSがAndroidを上回るという、現在のモバイルデバイスの流通状況に影響を受けた結果が浮き彫りになった。
また、モバイルアプリケーション開発者に対し、利用経験のあるモバイル開発ツールをたずねたところ、ネイティブ開発ツールである「Android SDK」「iOS SDK」「Xcode」への回答が圧倒的に多い結果となった。
コンシューマー向けのネイティブアプリケーション開発が企業向けも含めたモバイルアプリケーション開発全体をリードしているためとIDCではみているという。
モバイルアプリケーション開発では、JavaScript、PHP、Perl、Python、Rubyなどの技術に加え、Web開発ツールも比較的利用されていることが判明した。
本調査では、ユーザー調査および開発者調査の結果に加え、IDCが保有するデータを基に、ソフトウェアのユーザー(企業/コンシューマー)と稼働環境(モバイル/ノンモバイル)をパラメーターとして、売上推計および市場予測を行った。
この結果、2012年の国内企業向けスマートモバイルアプリケーション市場の規模は、前年比44.7%増の100億6,100万円となった。2017年の売上規模は478億400万円で、2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は36.6%になると予測した。
また、2012年の国内企業向けスマートモバイルアプリケーション開発ソフトウェア市場の規模は、前年比5.4%増の64億8,100万円だった。2017年の売上規模は99億7,500万円で、2012年~2017年のCAGRが9.0%になると予測した。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの冨永 裕子氏は「企業向けスマートモバイルアプリケーション市場および企業向けスマートモバイルアプリケーション開発ソフトウェア市場を成長軌道に乗せるためには、モバイルアプリケーションプラットフォームベンダーとのアライアンスの推進、モバイルアプリケーションとノンモバイルアプリケーションを包括する企業内アーキテクチャモデルの提示、製品認知度の向上とソリューションで提供できる価値の訴求を考慮した市場アプローチが求められる」とのコメントを発表している。
今回の発表はIDCが発行したレポート「2013年国内企業向けスマートモバイルアプリケーションおよびその開発市場の予測と展望」(J13541001)にその詳細が報告されている。
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