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- 2009/09/08 掲載
第13回:「現場の内部統制問題の解決策」
連載『中堅・中小企業に必要な内部統制とは』 NPO法人内部統制評価機構 理事長 髙梨智弘氏
1. モチベーションに関わる内部統制事項:
(1)問題:個人の論文、企画書、その他作成資料など、社内サーバ内に保存しておくと、本人の許可なく勝手に使用され、使用した者が「自作であるがごとく」内容を発表している事例。■解決策:
・著作権や特許など知財の基本的な権利に対する規則を作成する。
・個人や会社に帰属する権利や所有権に対する理解を広める説明会を開催する。
・文書作成能力を向上させるため、関係者の社内教育研修を行う。
・個人の義務や権利、倫理・道徳についての説明会やセミナーを開催する。
・人が気分を悪くする事例等を含めた人間関係論のセミナーを開催する。
・情報提供者に加点するような評価制度を確立する。
・他者が活用する資料等の頻度に応じて、作成者が表彰されるような仕組みも効果がある。
(2)問題:営業活動の一環として、顧客の企業に対する意見や商品に対する意見等の情報を会社に提供しても評価されず、売上ばかりを求められるので、結果を出せない者はやる気が低下する。
■解決策:
・顧客の意見はデータベースに保存し、新しい顧客の獲得に役立てる。
・顧客のクレームや商品に対する意見は、新商品開発に活かし、顧客ニーズに応えるようにする。
・顧客の意見に対してフィードバックし、理解を得、企業の支援者にする。
・顧客の意見は、最重要情報として取り扱う規則をつくる。
・顧客の意見は、関係者で情報共有するルールを確立する。
・顧客の意見は、最重要課題と位置づけ、営業マンの成績として認める。
・営業マンだけでなく、あらゆる職種の業務記述書に、改善・改革に関わることは、他人の仕事であっても当該業務の範囲とすると規定する。
(3)問題:やれと言って任せられ、失敗すると怒られる。
■解決策:
・能力の無いことをさせずに、必要な能力をOJTや教育研修で養成する。
・努力しての失敗は、評価し、改善・改革にチャレンジさせる。
・失敗を公開し、二度と同様なことが起こらないように広めることで、マイナス点をプラス点にする仕組みを導入する。
・減点主義から加点主義にすることで、上意下達がうまく行く。
・本人の適性に合った好きなことをやらせる、やる気を起こさせる。
2. 改善・改革に関わる内部統制事項:
(1)問題:会議は、いつも事実前提と言われる短期的思考で「売上増加」「費用削減」「利益創出」等のみの話で終始してしまう。■解決策:
・明確な経営ビジョンを構築し、価値観を大事にした社会から信頼される戦略を策定する。
・改善・改革を奨励する。
・環境変化、顧客ニーズにあった経営改革・業務改革をする。
・変化に対応するために、衆知を結集しなければならないので、各人の貴重な経験知を共有する場を創る。
・クレームや不祥事に繋がりかねない事実前提のデメリットについて、リーダーの意識改革を促す。
・顧客価値創造の考え方を徹底的に学ぶ。
(2)問題:QC活動や改善提案制度で、各人の知恵の表出化を行っているが、改善提案がノルマ化されているため、各人が「知」を溜め込み、小出しにしている状況がある。
■解決策:
・改善・改革の提案で賞を決めるのではなく、提案の成果が評価になる人事制度にする。
・ノルマかのような強制の仕組みではなく、自由な発想ができるように、加点主義の制度にする。
・質的に価値があるものを評価するルールにする。
・ノルマ達成ではなく、改善提案の中身や成果を評価する仕組みにする。
・ノルマをなくし、暗黙知が表出化された量と質が評価される制度にする。
(3)問題:会議を2~3時間行うが、結論がぼやけて、何かよく分からないまま、終わり、結果として行動に誰も移せない。
■解決策:
・会議の目的を明確にする。
・ファシリテータを入れ、皆の意見を掘り起こし全員の知を結集する。
・会議時間は余り長くせず1~2時間程度を最長とし、効果が上がるようにする。
・多様な参加者を入れ、リーダーが問題解決に導く。
・リーダーは、何らかの結論を導くようにする。
(4)問題:設計作業において、熟練技術者の代わりに、若手技術者が同じ作業をすると、失敗をする事が多い。
■解決策:
・技術の伝承の仕組みを構築する。
・定年制度を見直し、若手を指導させる。
・若手の教育・研修を徹底する。
・OJTやビデオ等の活用により、作業の要点を徹底して指導する。
・若手作業者の能力向上に力を注ぎ、再作業のロスを減らす。
・最先端機器を導入する。
(5)問題:顧客からのクレームに、規則に則って対応はするが、現品の措置だけで終わってしまい十分な原因究明、再発防止がなされない。
■解決策:
・商品に関するクレームは、全て商品開発に繋げる仕組みにする。
・すべての関係者に情報を流すことを徹底する。
・クレームについては、関係者全てに横展開し再発を防止する。
・プロセスを遡り、クレームの真因を究明する。
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