ますます困難になる「内部不正」対策と調査、リスクを最小化する方法とは?
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内部不正がもたらす脅威
2020年6月に「公益通報者保護法」、「労働施策総合推進法(パワハラ防止法)」の2つの法令が改正された。前者は公益のために内部通報を行った労働者に対して解雇などの不当な扱いを禁止することを新たに定め、後者ではパワハラ防止が企業の義務として定められた。どちらも企業に対して事実関係を調査し、適切な改善や是正が義務付けられている。企業にとってはさらなるコンプライアンス強化が求められると言えるだろう。内部不正の問題は根強く、昨今では不正会計のみならず、品質改ざんやデータの社外持ち出し、あるいはパワハラ、セクハラなど、さまざまな不祥事がニュースとなってしばしば世間を賑わせている。法の観点からはもちろん、ビジネスの観点からも、内部不正は早急に対処しないと被害が大きくなりやすい。賠償金などの金銭的損害のみならず、社会的信用も失うからだ。場合によってはビジネス機会の喪失、不買運動、株価の低下などを引き起こし、経営陣が退陣に追い込まれるケースもある。
企業としては、こうしたリスクに備えたいところだが、不正調査はそう簡単にできるものではない。これまでは多くの場合、そうした調査は外部機関に依頼することが多く、1案件当たり、数百万~数千万円のコストがかかっていたケースもある。
何より、デジタル化が進み大量のデータを扱うようになった今日では、不正事実の証拠(メールやWeb履歴などのデータ)がどこのデバイスにどのような形で潜んでいるかが見えづらくなり、分析も容易ではなくなった。対象者に対するヒアリングだけでは事実関係を明確にすることはできないし、相応の時間がかかってしまう。
膨大なデータ量の中から早い段階で正確な事実を発見し、内部不正リスクの芽を摘み取るにはどうすればよいのか? ここからは、具体的な解決施策を解説する。
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