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- 2025/02/14 掲載
サツドラの挑戦、町の薬局が「道民2.5人に1人所有」の“地域通貨”を目指すまで
ドラッグストアの枠を超える
非金融事業者が自社のサービスに金融機能を組み込む、組込型金融は、EC(電子商取引)やサブスクリプションサービスなど幅広い分野で活用が広がり、一般消費者の間でもすっかり身近な存在になりつつあります。その組込型金融と地域経済を融合させ、経済の地域循環を活性化させるビジネスモデル構築に取り組んでいるサツドラホールディングスは、1972年に「サッポロドラッグストアー」として創業。同社の富山 浩樹社長は「いわゆる『パパママ薬局』というか、私の父と母が本当にスーパーの一角のようなところでスタートしました」と言います。
2016年にリブランディングして現在のホールディングス体制となりました。「地域の生活総合ストア」をコンセプトにした店作りが特徴で、2024年5月時点で200店舗展開し、売上高は955億円となっています。
主力の食品部門とは別に同社にとってももう1つの事業の柱となっているのが、2014年に北海道の共通ポイントカードと銘打って開始した「EZOCA」です。
北海道内の他社にも開放して共通ポイント化し、加盟会社は2024年10月末時点で290社950店舗に。うち9割が地元資本となっています。一方、会員数は220万人を超え、北海道民の2.5人に1人が所有するほど広がっており、年間関与売上は1,200億円以上に達しています。
この2つの軸から得られる購買データなどを活用し、地域マーケティングやフィットネス、キャッシュレス決済やデジタル地域通貨の開発などドラッグストアの枠を超えた幅広い事業を展開。
会社のビジョンに「ドラッグストアビジネスから地域コネクティッドビジネスへ」を掲げ、「地域のあらゆるヒト・モノ・コトをつなぎ新たな未来を創造すること」(富山社長)を目指しているといいます。 【次ページ】町の薬局が「道民2.5人に1人所有」の“地域通貨”を目指すまで
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