- 2007/05/14 掲載
オープンソースが変えるミドルウェア市場動向2009、品質やサポートの課題克服で低コストが魅力に(3/3)
品質、セキュリティ、サポートを担保して圧倒的なコストメリットを引き出す
しかし、実はオープンソースのソフトウェアは、既にさまざまな領域で利用されている。「LAMP(ランプ)」と呼ばれるLinux(OS)、Apache(Webサーバー)、MySQL(データベース)、PHP/Python/Perl(プログラミング言語)の組み合わせが、中小規模のWeb開発に不可欠な存在となっていることはよく知られている。開発に必要なすべてのソフトウェアを無料で揃えられるため、資金的な余裕のない中小企業からSOHOレベルの開発者にまで、LAMPがもたらした恩恵は計り知れない。ただし、オープンソースのソフトウェアは無償なので、そのままでは当然サポートはつかない。商用ソフトウェアからOSSに乗り換えた時に誤解しがちなのがこの点である。2年前からJBossによるソリューションビジネスを展開しているレッドハットの岡下氏は、次のように語る。
「確かにオープンソースで開発されるソフトウェアの品質はさまざまです。しかし、JBossをビジネス展開するにあたって、レッドハットでは品質チェックのプロセスを徹底しました。異なるコンポーネントの組み合わせによる不具合をチェックしたり、さまざまなストレステストを実施したりすることで、商用製品にも肩を並べる品質を実現したのです。けっして、『コミュニティで公開されているソフトウェアにサポートを付けただけ』ではありません。さらに、3か月に1回の定期的なパッチ提供、緊急時のパッチ提供でセキュティ面を担保し、長期間のサポート体制を構築することで、安心してご利用いだける環境を整えました」(岡下氏)
レッドハットのようなオープンソースのプロフェッショナル企業が、「品質」「セキュリティ」「サポート」を担保したうえでオープンソースのミドルウェアを提供する意義は、非常に大きい。オープンソースの専門家がいない企業でも、商用製品の1/10以上という圧倒的な低コストでサポートされる品質の高いオープンソースミドルウェアを導入できる道が開けるからである。
オープンソースのミドルウェアは、最近の仮想化の流れにも適合している。商用ミドルウェアは、CPUのコアごとにライセンス料が必要となるケースが多い。このため、仮想化でサーバーの集約化が進んでも、ライセンスにかかるコストは変わらない。利用するソフトウェアの数が増えれば、ライセンス料はかえって増大しかねないのである。しかし、オープンソースなら、その心配はない。サーバーを集約し、ソフトウェアが増えても、ライセンスコストはゼロのままだ。
ここ10年、ハードウェアやOSのコストは圧倒的に安くなったが、ミドルウェアの価格は実はあまり変わっていない。それだけに、ミドルウェアのコストに不満を抱くユーザーは少なくないはずだ。ミドルウェア製品が、成熟しつつある今、オープンソースを選択肢に含めることは、十分、理にかなっているのではないだろうか。
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