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- 2024/09/27 掲載
「過去最高」にツッコミ殺到の生活満足度調査、なぜ「うさん臭い」結果に?
生活満足度調査とは
そもそも内閣府の生活満足度調査とはどういうものなのでしょうか。調査は国内の経済社会の状況について、GDPなどの数量的な側面だけでなく、人々の満足度(ウェルビーイング、Well-being)という質的・主観的な尺度から多面的に把握し、政策運営に活かすことを目的としています。
総合的な指標である「生活満足度」を0~10点で自己評価してもらうほか、満足度に関連する「家計と資産」「雇用環境と賃金」「住宅」など13分野の満足度についても尋ねるというものです。
「過去最高」となった調査結果
2019年に始まり、6回目となる今年は、2月に約1万人にインターネットで実施しました。結果を見ると、生活満足度の平均は5.89点(前年比0.1ポイント増)となり、調査開始の19年以降で見れば、たしかに「過去最高」となりました。
年齢階層別に見ると、「39歳以下」「40~64歳」「65歳以上」のいずれも上昇しましたが、 「40~64歳」はコロナ禍前の2020年の水準には達しませんでした。子供がいる世帯にとっては、高校・大学などでの教育費の負担が大きくなる年代であるほか、親の介護費がかかる時期でもあることが背景にあると考えられます。
男女別に見ると、男性が0.14ポイント増、女性が0.07ポイント増と、男性の上昇幅が大きいです。男性は特に「39歳以下」が満足度上昇に寄与し、「家計と資産」「子育てのしやすさ」「生活の楽しさ・面白さ」などの分野が大きく改善しました。一方、女性はすべての年齢層で「家計と資産」が上昇しました。
地域別では、3大都市圏(東京、名古屋、大阪)と地方圏のいずれも上昇。特にコロナ禍でいったん大きく落ち込んだ都市圏の回復が大きい結果となりました。
一方、同じく内閣府が発表した2023年度の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質の成長率が前年度比で1.2%増でした。3年連続のプラス成長となりましたが、個人消費は依然として弱く、好調な輸出や設備投資が支えている状況です。
日用品や食料品の値段は上がり、賃上げペースが追いつかない……こうした現状が取り沙汰される中で公表された今回の調査結果。インターネット上では、「政府は統計操作までやるようになった」「調査が偏っているとしか思えない」「こうした調査結果を元に新たな政策が打ち出されるのはたまらない」などの批判、疑念が噴出しました。
なぜ、現状と乖離するような調査結果になったのでしょうか。今回の報告書をさらに読み込むための注意点について、3つのポイントに分けて紹介します。 【次ページ】コロナ禍明けの影響が継続しているだけ
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