- 2006/12/14 掲載
【CIOインタビュー】 神戸製鋼「深く穴を掘ろうと思うなら、広く掘らなければならない」(2/3)
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生産拠点への展開時、同社は、携帯端末にPHSを採用した。工場では早くも生産稼働率の向上といったうれしい成果が現れている。それだけではない。保守担当者への連絡が迅速に行え、現場が機械メーカーと直接連絡を取れるようになったのも大きなメリットである。計画から1年でカットオーバーした同プロジェクト。導入にあたっては、社内調整以外に、プロジェクト全体を見据えた苦労があった。
「まず社内の理解を得るために、導入後の姿を平易に説明する必要がありました。これまで、電話設備の担当は総務部門でした。今回は技術の融合ということでシステム部門が主導となったため、総務部門とのコミュニケーションには気を遣いました。一方で、エンドユーザーの使い勝手も考えていかなければなりませんしね。
また、当社には投資回収をある一定期間内に抑えるというガイドラインがあり、そこにうまくはまるよう、さまざまな工夫をしながら計画を進めました。今回は約2年での回収を見込んでいます。」
昨今、企業のリスク管理への取り組みとして、コンプライアンスの問題などとともに注目を集める事業継続計画。災害対策のあり方は、企業価値を左右することにもなりかねない。この点でも、同社がPHSを採用した意味は大きい。PHSのアンテナは、電線から電力を供給することが可能だからだ。
もちろん同社の対策はこれだけはない。万一、データセンター内にある全社共通の電話交換機が壊れても、継続して通話が行えるよう、冗長構成を実現している。また、各事業所には緊急通信用の衛星電話も配備した。これで緊急時の外部との連絡は、衛星電話や電子メールで対応できる。
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