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- 2006/07/04 掲載
【NTT社長和田紀夫氏】中期経営戦略のほか、NGN、放送と通信の融合、YouTubeなどについて語る(2/3)
米国では、光ファイバー網の解放はしなくて良いという流れに
多くの国において、当初インフラ構築のために支配的通信事業者が牛耳っていたが、現状では他の事業者に開放していく義務を背負わされている。ただ、光ファイバーの解放義務については、米国において見直しが図られ、他の事業者に必ずしも解放しなくて良いシステムを採用しつつあるという。米国のインフラ網を司るある企業幹部は「設備投資が積極的に行われる環境が好ましいが、そのためには投資回収が担保される環境が必要」と言っていたそうだ。また、「ラストワンマイルに対するボトルネック性は電話の時代の話」であって、「次世代ネットワークにおいてその概念はあてはまらない」という意識が米国では支配的なのだという。そのほか、「規制や設備投資によるディスインセンティブさえなければ、固定系において光を採用し、100Mbpsの回線速度、携帯でも20Mbpsの速度を実現することができるのに…」といった言葉も紹介した。
2010年までにはメタル利用者の半分は光を利用できる環境作りをコミットメント
これらを踏まえた上でNTTの中期経営戦略を紹介。2010年までには光によるNGNを作り上げ、現在6000万人が利用するDSL回線利用者の約半数、3000万のユーザーが利用できる環境を作り上げていきたいと語った。これらのインフラ網は毎年2兆円(携帯1兆円・固定1兆円)の投資によって実現されるとしたうえで、その実現のためにNTTだけではなく、国内外の通信機器ベンダーやネットワークにつながる情報家電メーカー、このネットワークを使ってビジネスを展開する上位レイヤーのコンテンツプロバイダーの協力を求めていく考えを示した。それにともなって、今年7月にはNTTとしてどういう水準のインフラ網を構築していくのかを提示するので、上記関係者にはぜひフィールドトライアルに参加してもらえるように働きかけているとのこと。このフィールドトライアルは12月から開始される予定だ。
NGNやICTに期待されるものとは何か
NGNやICTといった次世代型高速ネットワークインフラに期待されている点として、新しいビジネス・サービスの創出はもちろん、総務省による「u-Japan構想(豊かで効率的な高齢化社会を実現)」などにおいても果たすべき役割があると述べた。具体的には、医療現場において、手術中の映像を遠隔地と結び、さまざまな医療的アドバイスをリアルタイムで行うことができるシステムを構築している例を引き合いに出した。関連コンテンツ
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