ノークリサーチ 岩上 由高
ノークリサーチ シニアアナリスト 博士(工学)
早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業などでIT製品及びビジネスの企画/開発/マネジメントに携わる。ノークリサーチでは多方面で培った経験を生かし、リサーチ/コンサル/執筆・講演など幅広い分野を担当。著書は「AdobeAIRの基本と実践」「クラウド大全(共著)」(日経BP刊)など。
IT活用の新たな選択肢として「クラウド」が登場してから早くも数年が経過した。サーバハードウェアなどの資産を所有する必要がないという点で、クラウドは中小企業におけるIT活用負担を下げるものとして期待されており、これまでにもさまざまなサービスが登場し、導入事例も着実に増えている。だが、潜在ニーズを考えれば中小企業におけるクラウド活用はもっと伸びても良いはずだ。その障壁となっている要因の一つが「クラウドがもたらすメリットがわからない」「クラウドをどう活用すればよいかの具体的なイメージがわかない」といったユーザー企業に対する啓蒙/認知の不足だ。それらの課題を解消する取り組みの一つとして、今回は東京商工会議所が開設した「クラウドワークスクエア」を取り上げることにする。
スマートフォンやタブレット(以下、スマートデバイス)は一般消費者向け市場で急速に普及しつつある。それを受けて、中堅・中小企業においても「スマートデバイスを自社の業務に活かせるのではないか?」という期待が高まってきている。しかし、スマートデバイスはiOSやAndroidといった「OS」を備え、その上で動作するアプリケーションを自由にインストールすることができる。その点では携帯電話というよりもむしろPCに近い。さらにスマートデバイスは手軽に持ち運ぶことができる。逆に言えば盗難/紛失のリスクはノートPCなどに比べて高いといえるだろう。そのため、企業が利用する場合には端末管理やセキュリティ対策においてスマートデバイスならではの配慮が必要となる。今回はこの点について考えていくことにする。