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OMOの取り組みで成果が得られない企業の共通点
今やデジタルとビジネスは切っても切れない関係にある。特にマーケティングの分野では、デジタルを使って顧客とコミュニケーションをとることが重要な取り組みとなってきた。その背景について、パルコ CRM推進部業務課長の塩谷旬氏は「消費者視点」と「企業視点」の2つの視点から見た変化が関係していると説明する。「消費者視点からすると、スマホやSNSの普及により、購入時だけでなく、オンラインによる購入前の情報収集から購入後の情報拡散までもが重要な顧客体験となりました。一方、企業視点では、あらゆるオンライン上の顧客接点から顧客データを取得できるようになったことで、いわゆるKKD(勘・経験・度胸)から脱却し、データドリブンなマーケティング活動に移行しようとする企業が増えています」(塩谷氏)
マーケティングにおけるデータ活用の意識の高まりから、最近ではオンラインとオフラインを組み合わせたOMO(Online Merges with Offline)に取り組む企業が増えている。ただし、思ったような成果を得られないという声も少なくない。塩谷氏は次のように語る。
「流行っているからインスタアカウントを立ち上げた、専用アプリを作ったという企業の話を聞いたことがあります。Web上のランディングページや、SNSアカウント、専用アプリなど、顧客とのコミュニケーションツールはさまざまありますが、顧客はどのような時にどのような選択肢を選ぶのか、また、企業はどのような情報を収集・分析し顧客に還元するのか、顧客コミュニケーション戦略の全体像を描けていないと失敗する可能性が高いです」(塩谷氏)
それでは、どのような手順で、自社に合った「顧客コミュニケーション戦略」を構築すれば良いのだろうか。ここからは、塩谷氏流の顧客コミュニケーション戦略の描き方を解説する。
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