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ローソン、西友でデジタル変革を主導し、現在は味の素グループで新規事業の創出に携わる白石卓也氏。同氏は、「アプリは製造業にとって重要なチャレンジの1つだ」と語る。白石氏が培ってきた、デジタル化およびマーケティングの勘所を聞いた。味の素が顧客体験を理解するために重視していることとは。

前編はこちら(この記事は後編です)

「表のデジタル」と「裏のデジタル」

 ローソン、西友でデジタルを活用した事業改革を主導してきた白石氏に、昨今多くの企業が推進しているデジタル化を成功させる考え方を聞くと、同氏は「表のデジタル、裏のデジタル」という言葉を用いて、次のように説明する。

「アプリのようなサービス、ロボットやチャットボット、AIといった目に見えるデジタル活用が"表のデジタル"です。もちろんそれは重要ですが、もっと重要なのが"裏のデジタル"です。基幹システムやサプライチェーン、会計等でのデジタル活用がそれに当たります。表だけやっても効果は出ません。両方がセットになっていることが、デジタル化の成功には欠かせないと思います」(白石氏)

 その上で、デジタル化成否について、白石氏は「結果がすべて」と言い切る。つまり、デジタル化によって業績が伸びたかどうかで、その取り組みを評価すべきである。デジタルを活用して新しいサービスや商品を出しても、それが業績につながっていなければ失敗である。そして、成功に必要な条件が、表と裏のデジタル化の両方だというのが、白石氏の考え方だ。

「表のデジタルと裏のデジタルの両方ができていないと、会社としての数字は間違いなく上がりません。したがって、業績が良い会社は、デジタル化にも成功していると言えます」(白石氏)

「顧客体験」をどうとらえるか、がカギだ

 そして業績に直結しやすいデジタル化の1つが、「マーケティング」のデジタル化である。

 白石氏はマーケティングには「インサイトや課題を見つけるマーケティング」と「商品やサービスを売っていくためのマーケティング」の2つがあると指摘した上で、次のように語る。

この記事の続き >>
・「顧客体験」をどうとらえ、マーケティングに生かしていくべきか
・味の素にとっての「アプリ」とは? アプリ開発で重視していること
・味の素がZ世代を狙う新組織を設立したワケ

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