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掛け声だけのDX? 新規投資の5割がデジタルでなければDXではない
「DXはすべての企業が取り組まなければならないスローガンになっていますが、ほとんどは掛け声だけです。本当の意味で取り組んでいる企業は1割あるかないかでしょう」そう語るのは、DXJAPAN 代表植野 大輔 氏である。植野氏は、ボストンコンサルティンググループからファミリーマートの澤田 貴司 社長に招聘され、同社の全社変革、デジタル戦略の策定、ファミペイの立ち上げなどを指揮した人物だ。現在はDXJAPANを設立し、大手企業のDXを支援している“DXのプロ”である。
そのプロは、現在の日本企業のDXへの取り組みについて「ほとんどはデジタルごっこをやっているだけ」と容赦ない。では、本当のDXに取り組んでいる企業と、“デジタルごっこ”ことでお茶を濁している企業の違いは何か。
「端的にいえば、新規投資の5割がデジタルであることが、DXの第一の必要条件です。海外の優良企業と日本企業のバランスシートを比べると、海外企業は無形資産が多いのに対し、日本企業は土地、工場、時に社員寮のような有形資産が多いのも不思議です。DXに取り組むなら、無形資産が増えないとおかしいでしょう」(植野氏)
一方、企業のDXをモバイルアプリの導入を通じて支援しているのが、アプリプラットフォーム「Yappli」を運営するヤプリの執行役員CMO 山本 崇博氏だ。
「DXという言葉は定義もあいまいで、企業の取り組みもさまざまです。検索サイトの検索数を調べても、2020年に入ってから急激に伸びていて、明らかにこれまでとは異なるトレンドを描き始めています。多くの企業がDXに関心を抱いているのは間違いありません」(山本氏)
業種・業態、企業規模を問わず多くの企業がDXに注目し、取り組みも活発化している一方で「95%が成果を出していない」という調査データもある。「日本企業のDX」の現場では現在、何が起きているのだろうか。議論は「DXの本当の意味」から始まった。
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