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  • 2023/11/06 掲載
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アシックスは2023年度の中間決算で、売上高と純利益ともに過去最高を記録した。実は2020年まで売上が減少傾向にあり、コロナ禍が追い打ちをかけて厳しい状況にあったが、2021年以降はV字回復、大きな飛躍を遂げている。ここにきて飛ぶ鳥を落とすような快進撃を続けているが、それを支えているのが、2018年から全社を挙げて本格的に取り組んできたDXだ。そのかじ取り役である同社の常務執行役員 CDO・CIOを務める富永 満之氏に、DXの取り組みの全貌と成功の秘密について話を聞いた。

“過去最高”売上の要因とは?

 アシックスの売上構成比率を見ると、80%以上が国外で占められている。直近は米国や欧州といった先進国の業績が好調だったことに加え、中国やマレーシア、インドなどの売上も先進国以上に伸びた。また、すべての商品カテゴリーが堅調に推移したことも1つの要因として挙げられる。

 さらには、ECといったD2Cも奏功している。B2Cの卸売りから、D2C(Direct to Consumer)によるダイレクト販売の比率を高めており、アフターコロナのインバウンド需要も含め、今期はECが大きく伸びた。数年前までは10%ほどしかなかったD2Cの比率は全体の35%にまで伸長。D2Cは粗利が大きいため、利益も順調に伸びているという。常務執行役員 CDO・CIOを務める富永 満之氏は好業績の要因についてこう語る。

「D2Cなどを支えてきたのがDXであり、今期は本格的なデジタルへの取り組みが効果として表れ始めたと思います。投資であれば、データ活用などで見える化を進め、どのような分野に投資し、人的リソースを集中すべきか、ということをしっかり計画した上で実行・レビューできるような体制を整えました。こうした努力を4~5年間ずっと積み重ねてきた結果だと思います」

 ではアシックスは具体的にどのようなDXに取り組んできたのだろうか。ここからは、DXの本来の趣旨でもある価値創出と業績向上につながるDXの秘密に迫る。

この記事の続き >>

  • ・ERP統合という「超・一大プロジェクト」の全貌
    ・“過去”と“現在”でまったく違う「デジタル戦略」
    ・なぜ開発「内製化」?「外注」との違いとは
    ・DXを成功させる「2つのポイント」

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