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- 2022/06/28 掲載
【ドイツ現地レポ】ハノーバーメッセ2022、脱炭素を実現する最新ツールを解説
連載:第4次産業革命のビジネス実務論
ハノーバーメッセとは? 2022年の出展社数は?
ハノーバーメッセとは、インダストリー4.0による産業革命を推進するドイツにて、毎年開催されている産業見本市です。新型コロナの影響で2020年は中止、2021年はオンライン開催となり、3年ぶりにリアル(ハイブリッド)で行われました。2022年は出展企業2500社(60カ国)、来場者は7万5000人です。最後のリアル開催だった2019年のハノーバーメッセの来場者は21万5000人、出展社数は6500社、オンライン開催だった2021年は、来場者数は9万5000人、出展社数は1800社でしたので、オンライン時よりは出展社数は戻ってきているものの、2019年レベルまでは戻っていないと思われます。
展示会場もHall-13までと2019年までの半分程度しか使われていませんでした。
ハノーバーメッセの歴代パートナー国
毎年ハノーバーメッセでは、パートナー国が選定され、パートナー国の政府首脳や企業が招待されています。2022年のパートナー国はポルトガルでした。2023年は、2021年の「ハノーバーメッセ2021:Digital Edition」のパートナーを務めたインドネシアがパートナー国になることが予定されています。過去のパートナー国は、インド(2015年)、米国(2016年)、ポーランド(2017年)、メキシコ(2018年)、スウェーデン、(2019年)、中止(2020年)、インドネシア(2021年)となっています。
ハノーバーメッセ2022のコンセプト・主要テーマ
主催者のドイツメッセは、展示について「デジタル化、AI・機械学習、自動化、サステナブルなエネルギーなどの相互作用において、気候変動の世界的な課題に対する解決策を提示する」と説明しています。
CO2排出量が多い製造業界が変革を迫られていることが、これらテーマ設定の背景にあり、展示会場には変革を推進する「デジタル化」と「サステナビリティ」の2つに焦点を当てた製品やサービスが多数展展示されていました。
「デジタル化」としては、インダストリー4.0、AI・機械学習、サイバーセキュリティ、ロジスティックス4.0などをキーワードとした展示が目立ちました。コロナ禍を経て、遠隔地にいる従業員同士を結び付けるようなデジタル技術の展示や、デジタル技術をCO2削減に生かす展示などが見られたほか、デジタル化および自動化によって効率的かつ少ないリソースで製造を行うネットワーク化された工場ソリューションなどが紹介されていました。
一方、「サステナビリティ」関連では、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー、水素関連技術や燃料電池について多くの企業が出展していました。
ここからは、下記のハノーバーメッセ2022の主要テーマに沿って、それぞれのテーマの重要論点と、それらを解決する方法として会場に展示されていた製品などを解説していきます。
- ■ハノーバーメッセ2022の主要テーマ
- (1)カーボンニュートラル
- (2)サーキュラーエコノミー
- (3)インダストリー4.0
- (4)サイバーセキュリティ
- (5)AI・機械学習
- (6)ロジスティクス4.0
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