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第4次産業革命の指標となる「ライトハウス(灯台)」をご存知でしょうか?世界経済フォーラム(WEF)がコンサルティング会社のマッキンゼーとともに選定するベンチマーク工場のことです。デジタル化、予知予兆分析、AR/VR、産業用IoTなどのデジタル技術の導入のみならず、自動化による生産効率向上、人材育成や働き方、企業や業界の持続可能性、社会や環境へのインパクトといった観点から評価し、2021年6月までに世界69工場が選定されています。今回はこのライトハウスから見えてきた日本の課題を考察します。
第4次産業革命の指標となるベンチマーク工場「ライトハウス(灯台)」
WEFとマッキンゼーは、2017年に「グローバル・ライトハウス・ネットワーク(Global Lighthouse Network)」を結成し、ライトハウスによって構成されるコミュニティー(共同体)と位置付けています。
第4次産業革命のベンチマーク工場であるライトハウスの狙いには「パイロットパーガトリー(Pilot purgatory、直訳すると水先案内人の煉獄(苦行))」を乗り越えるというものがあります。その背景には、先進的な取り組みを進める製造業と、その他の取り組みが進まない多くの製造業との間にギャップが生まれているとの認識があるのです。
製造業の取り組みの方向性としてライトハウスを示し共有することで、業界全体の持続的な発展に向けて多くの企業に変革を促そうとしていると考えられます。
日本に限らず多くの製造業では、取り組みが概念実証(PoC : Proof of Concept)に留まり、本番への移行やビジネスでの活用になかなか至っていません。これはスマート工場化などの取り組みでは陥りがちな現象であり、
ライトハウスのレポート を見ても、世界中の多くの製造業が共通してパイロットプロジェクトの壁を超えることに苦しんでいるということが分かります。
ライトハウス選定の69工場とは?(2021年6月時点)
2021年6月までに世界69工場、アジア35工場がライトハウスとして選定されグローバル・ライトハウス・ネットワークのメンバーとなっています。中国(台湾含む)からは、アジアの過半数の21工場が選定される一方、日本からの選定は2工場に留まっています。
【次ページ】選定企業に見られる特徴、ライトハウスから見る国内製造業の課題
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