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- 2021/05/20 掲載
ブロックチェーンが正す「不都合な現実」、NFTでアーティストは救えるのか?
チームラボ、草間彌生が参加、アートの最先端
日本にあまりなじみのない国の1つであるサウジアラビアのリヤドで、光とアートの祭典「ヌール・リヤド」が6月まで開催されている。ここに日本人アーティストとして、チームラボと草間彌生さんが参加している。1000点以上のパブリックアートに投資して、リヤドの街を壁のないアートギャラリーにするというプログラムで、コロナ禍の中で世界中から有力アーティスト60人以上が招待された。チームラボは「花と人 - A Whole Year per Hour」という作品を提供している。これは、1年間の花々が移り変わる様子を、プログラムに沿って1時間にわたってリアルタイムに描き続けるというもの。人々の行動の影響を受けてそれを反映しながら、絵が絶えず変化を続ける。同じ絵は2度見ることはできないという。
世界を襲うコロナ禍の中で、これまで以上にアートが世界をまとめる役割を果たすとの考えを持つゴース氏。中でも、「デジタルアート分野で世界的な先駆者であるチームラボ、一方で20世紀的な美をもたらす草間彌生の存在に注目した」と話す。
「日本は伝統的な文化を持っているが、一方で極めて未来的でもある。作品はテクノロジーとの関係を持っている。光の芸術は、技術の進歩の最先端にある」(ゴース氏)
アーティストの収益機会が極端に少ないという現実
今回のチームラボや草間彌生さんのような、世界的に認められている日本人を含めて、いま世界のアーティストが、本来得るべき適切な収益の機会を得ていないことを問題視する動きがある。コロナ禍によって展覧会が相次いで中止になっていることなども、追い打ちをかける格好だ。今に始まったことではないが、絵画をはじめとしたアート作品は、最初に販売した時にしかアーティストに収益は発生しない。アーティストが絵を描いて100万円で販売したら、その後はその絵が1000万円、1億円などの高額で転売されても、基本的にはアーティストに1円も支払われない。バブル期の絵画の転売競争をはじめ、長らく見てきたため、当たり前にようにも思えてしまうこうした仕組み。だが、ここで一度頭をリフレッシュして自問してみたい。
それでいいのか、と。
類まれな才能を持つアーティストが身を削って描いた絵であるにもかかわらず、当の本人に収益がもたらされず、投機的に売買した転売者に利益が蓄積されていく。それでいいわけがない。裕福な暮らしができるアーティストは一握りと言われていることとも関係しているだろう。世界中の人々がそれをわかっていながら、解決策が見つからないために見て見ぬふりをしていた、いわば「不都合な現実」なのである。
サウジアラビアの展覧会に集まった、世界をリードするアーティストも、収益の機会が不足しているという意味で例外ではないという。
【次ページ】NFTの登場が与えるインパクト
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