- 会員限定
- 2020/08/27 掲載
「ハンコ行列」から「テレビ会議を役職順に」、残念すぎるオフィス文化が残るワケ
オフィスという“場”と“人”に依存した、古き時代の企業文化
政府による全国的な緊急事態宣言を受け、働き方を問われたことをきっかけに始まった今回の連載も最後となる。緊急事態宣言発出に伴う自粛要請がいったん解除されたことで、そうした地域では少しばかり自粛ムードも緩みつつある。東京都内においては、在宅勤務の協力要請は引き続き呼びかけられているものの、以前よりも調整して出社する企業も増えたとの声も聞く。連載のまとめとなる本記事では、働き方を変えざるを得ない事態からおよそ半年が経過して露呈した日本の働き方に根付く文化とその課題を踏まえ、「なぜ今、働き方を変えなければならないか」という背景に迫る。今一度働き方を見直すきっかけとなれば幸いだ。
ウィズコロナ時代の準備を進めるべく、今まさに対策を検討している企業・組織も多くいる。その一方で、緊急事態宣言がないことから今までと同じ働き方を続け、今後も変えるつもりがない企業はいかがなものであろうか。
コロナ禍でテレワークを経験した人たちの中には、従来の組織の慣習や業務プロセス、企業文化に違和感を覚え始めている人もいる。それらは極めて健全な違和感だといえる。テレワークで仕事の仕方が変わったことで、幸か不幸か「プロセスの無駄が浮き彫りになった」「テレワークによってやる必要がなくなった」という仕事が浮き彫りとなった。たとえば、なぜか手書きの書類での提出が義務付けられていたり、上長の機嫌を見ながら決裁を求めに行ったり……。これらは悪い意味で「オフィスありき」「人ありき」の仕事の進め方だ。
自社でも見かける? 残念なオフィス文化の典型的なパターン
こうしたオフィスでよく見かける残念な働き方のシーンをまとめたものが、2020年9月に共著として発売予定の『ざんねんなオフィス図鑑』だ。その中では、残念な働き方のシーンを川柳風にまとめている。す:スタンプラリー 完了するまで 一ヶ月
せ:先祖代々 口伝で引継ぎ
て:テレワーク、ハンコ押すため、出社する
わ:ワープロを一太郎と呼ぶIT役員
このようなシーンに遭遇したことがある人は多いのではないだろうか? こうした古き時代の企業文化は、オフィスという“場”に依存し、その場にいる“人”たちあってこその働き方の中で生まれてきた習慣だと言える。働く行為といえばオフィスが当たり前で、非効率とは分かりながらも、その場のローカルルールに従って働くという文化ができあがっていた。
しかし、今回のテレワークで“リアルな場”がなくなったことで、ITツールを介するコミュニケーション、意思疎通・意思決定に用いられる各種ドキュメントが電子化にシフトしたことで、残念なオフィス文化として認識されつつある。
そうした例としては「テレビ会議の画面を役職順に表示してほしい」というものが挙げられる。何がなんでも残念なオフィス文化を残そうとする人もいるようだが、業種や職種、役職に関係なくテレワークを経験したことで多くの人が違和感を抱いている今だからこそ、古いやり方をそのまま維持するのは難しいと考えるのが健全であろう。
【次ページ】多くの弊害を生み出してきた“残念なオフィス文化”の3つの特徴
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました