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  • 2018/03/01 掲載

「データ中心採用」で100人以上が入社、KDDIの”経験なし人事”が成功の理由

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企業の人手不足が深刻だ。帝国データバンクがこの11月に発表した、「人手不足に対する企業の動向調査(10月)」によると、企業の49.1%で正社員が不足しているという。この数値は1年前(2016年10月)から7.3ポイント増加している。一方で、採用が順調な企業もある。KDDIコマースフォワードは2016年12月28日の設立とまだ若い企業だが、数カ月で100人以上を採用したという。その秘訣について、代表取締役社長 八津川 博史氏らに話を聞いた。
(聞き手:ビジネス+IT編集部 山田竜司)

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創立1年超ながら、300人以上の従業員を抱えるKDDIコマースフォワード。なぜ採用活動がそこまで成功しているのか?

人事戦略は企業戦略そのもの。「仲間」を集めることが大事

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代表取締役社長 八津川 博史氏
 KDDIコマースフォワードは、DeNAグループが運営していたDeNAショッピング、auショッピングモールの事業を承継、統合しeコマースカンパニーとして誕生した企業だ。ショッピングモール『Wowma!(ワウマ)』の運営を行っている。

 2016年12月28日の設立と、まだ社歴1年程度の若い企業だが、順調に採用人数を伸ばしているという。代表取締役社長の八津川博史氏、そして経営管理部 人材開発グループの戸田真梨子氏と笹内健吾氏にKDDIコマースフォワードにおける人事戦略について聞いた。

──人材採用について、お考えを聞かせてください。

八津川氏:事業において「人材」とは、「企業」そのものです。事業は「人、金、モノ、サービス」で成り立ちますが、その「金、モノ、サービス」を生み出すのは「人」です。

 企業がすべてにおいて「人」で成り立つということは、人事戦略イコール企業戦略そのものだということです。そのため、採用は最重要事項と位置付けています。

 実は設立時、親会社であるKDDIから「本当に優秀な人材を集められるのか?」という懸念の声が挙がっていました。特にインターネットビジネスには、コアコンピタンスとなる「モノづくり」を担うエンジニアが必要不可欠です。社名が認知されていない、できたての企業が優秀なエンジニアを採用できるのかと。

 それは私も危惧していたことだったため、採用に関してはトップの仕事としてコミットしています。「社長にとって一番、大事な仕事は何ですか」と聞かれたら「(ビジョンを共有する)仲間集めだ」と答えます。

 私は「人を探すのではなく、仲間を集めるんだ」という話を皆にしますし、本心でそう思っています。マンガの『ONE PIECE』の世界に近いかもしれません(笑)。

──企業を成長させるために人材が最重要と考えていると。

八津川氏:そうです。従業員を増やせば当然、売り上げは上がって行きますが、闇雲に人だけ集めても意味はありません。適切な人員計画に基づいて「仲間」を増やすことが重要です。

 目標としている事業の大きさを考えると今後、100人以上のペースで事業を推進してくれる「仲間」を集める必要がある。こだわりを持ちながら組織を作っていきたいと考えています。

粒ぞろいの人材を短期間で大量に採用するために

──八津川社長が掲げる「仲間」集めを推進しているのが、人材開発グループの戸田真梨子さんと笹内健吾さんです。採用に対してどのような課題があったのでしょうか?

戸田氏:我々はKDDIの戦略に基づき、3年で事業をスケールさせるというミッションがあります。目標に対し実行すべきことは膨大です。

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経営管理部 人材開発グループ
戸田 真梨子氏
 各事業部に早急に人的リソースを投入し、事業開始当初から非連続的な流通成長を実現するため、短期的に採用人数を増やす必要がある、という課題があります。

 しかも、採用した一人ひとりが事業の成長につながる即戦力でなければなりません。新人であっても与えられる役割、ミッションは大きい。企業を支える人材を大量に短期間に採用しなければならない。それはとても難易度の高いことだと認識しています。

笹内氏:最初、通常の求人広告を出していたのですが、弊社は知名度が低いため、効果は芳しくありませんでした。試行錯誤しながらPDCAを回していく中で戦略を見直し、現在は自ら積極的に求める人材を探し出して直接スカウトする手法に注力しています。

──採用のためにどんな工夫をしているのでしょうか?

笹内氏:採用活動を可視化してPDCAをまわすことに注力しており、これを実現するためにツールを活用しています。

 たとえば、採用管理のSaaS「HRMOS」は会社の立ち上げ時から導入しています。どのポジションで何人が選考フェーズにいて、内諾率が何パーセントか、ということをレポート形式で可視化できるため、マーケティングツールのように利用しています。

 データを見ながら内諾率や選考通過率における課題を抽出し、ここは改善していこうと考えたり、そもそも応募数が少ない場合は求人票や媒体を見直したりするなど、戦略を立てています。

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