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- 2017/03/21 掲載
ハノーバー宣言が採択、日独が9分野でIoTの連携強化へ--CeBIT 2017
今回の発表は次官級から閣僚級への格上げ
これを具体化するため、2016年4月に経済産業省とドイツ連邦経済エネルギー省との間で、サイバーセキュリティや国際標準、規制改革、人材育成、研究開発などでの連携を進める次官級の「IoT・インダストリー4.0協力に関する共同声明」に署名。
今回、これを閣僚級へと格上げし、大臣・総務大臣が署名することで、官民の関係機関を巻き込んでIoT協力を推進することで合意した。日本側は、世耕経済産業大臣、高市総務大臣が、ドイツ側はツィプリース経済エネルギー大臣が署名した。
両国は共同プレスステートメントを発出。(1)高水準のデータ保護の推進およびデータの自由な流通の促進、(2)産業協力の推進、(3)データ・エコノミーに関する対話の強化についての合意内容を明らかにした。
ハノーバー宣言の詳細、新たに9つの協力内容が発表
今回のハノーバー宣言では、新たに次の9つの協力内容が発表された。サイバーセキュリティ関連の国際標準化に向けた議論を加速するという。すでにCEATECで第1回専門会合を開催しており、現在開催されているCeBITでは産業サイバーセキュリティ関する共通見解文書(Common Position Paper)を発出している。
(2)国際標準化
IoT/インダストリー4.0に関する横断的モデルを2017年1月に日本からIEC(国際電気標準会議)に提案し、国際標準化機関において、日独でこの分野の標準づくりの議論を先導する。そのほか、ISO、ITUでも協力していく。すでに専門家会合を5回開催しており、CeBITに向けて共通戦略文書(Common Strategy Paper)を発出している。
経産省 糟谷敏秀局長はIVIの講演で「多くの標準化への取り組みがあり、乱立状態になっている。そこでIECやISOの場で、オープンな相互運用性を保証する動きも出ている。日本も既存のリファレンスモデルを整理・調和させ、オープンな生産システムの構築を統一的にガイドするモデルを提案したばかりだ」(糟谷氏) と進捗状況を語っていた。
(3)規制改革
2016年のG7情報通信大臣会合で合意されたデータ流通原則の推進、OECDを活用したデータ流通原則の効果測に関する協力を実施する。
(4)中小企業支援
日独のIoT活用に秀でた中小企業の相互訪問・知見の共有の継続。日独の中小IoT企業連携を両国政府が資金面で支援する。2017年2月20日~24日にドイツの中小企業8社が来日し、3月17日~24日にかけて日本の中小企業10社が訪独している。
(5)研究開発
産業技術総合研究所(産総研)とドイツ人工知能研究所(DFKI)の人工知能分野における協力MOUの締結。日独企業間の共同研究開発を両国政府が資金面で支援する(日本側は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施)。
(6)プラットフォーム
民間のIoT/インダストリー4.0の推進団体間の協力を強化する。
(7)デジタル人材育成
ものづくりを中心とした既存従業員のデジタルスキルの習得・スキル転換に向けた政策連携を実施する。
(8)自動車産業
自動車産業政策に関する協議の実施。充電インフラ協力に加え、自動運転・コネクテッドカー等の議論を開始する。
(9)情報通信分野の協力
【次ページ】安倍首相、標準化とEPA早期締結の重要性を強調
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