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  • 2016/12/26 掲載

キー・イシューとは何か? 意思決定者から承認を得るために必要なカギを洞察せよ

経営者の意向を超える企画提案の変革(4)

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コンサルティング・プロモーションのコンセプトの一つであるキー・イシュー(KI)は、投資を承認する意思決定者が抱く業務改革推進上の悩みだ。キー・イシューを見事に言い当て、その解決をコミットすることで、意思決定者への交渉力を高め、妥当な体制・妥当な予算の獲得を可能にし、プロジェクトの成功確率を高める。キー・イシューは、ただ待っていれば教えてもらえるものではなく、プロとして洞察し提案すべきものだ。そこで意思決定者の要望すら「一つの視点」であると認識し、プロとして行うべきことを提案する行動規範が求められる。また、キー・イシューの洞察に必要な知識・視点の拡充方法を解説する。
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経営者は、戦略達成のための企画提案を待っている



キー・イシューは、意思決定者が抱く業務改革推進上の悩みだ

 キー・イシュー(KI)とは、投資の意思決定者が抱く、業務改革の推進における自信のないこと、決められないことだ。意思決定者が今から決定しようとする情報システム化は、IT投資を伴う業務改革だ。したがって投資の意思決定者は、その業務改革達成の責任者となる。このような重い決定をしなければならないときの逡巡がキー・イシューだ。時として意思決定者自身が自分のキー・イシューに気付いていないこともある。

 意思決定者にとって、受けた企画提案は、提案者がどれだけ実現可能性を高めたつもりであっても、それが大きな業務改革であればあるほどリスクを感じる。自分の意思決定一つで、場合によっては数十億の投資が行われ、それが水泡に帰すこともあるのだ。恐怖を感じない訳がない。しかし意思決定者はそれでも決定を下す。なぜなら投資を避ければ、そのまま競争に負けることも多いからだ。簡単な意思決定などない。常にこのようなぎりぎりの中で意思決定は行われる。

 だからこそ、意思決定者が特に悩むであろうキー・イシューを言い当て、その解決をコミットすることで、情報システム部門の付加価値が高まり、意向を超える企画提案が可能になる。また、キー・イシューを見事に言い当て、解決をコミットすることは、意思決定者に対して交渉力を高めることにもなる。この交渉力は、妥当な体制、妥当な予算を承認させることを可能にし、プロジェクトの成功確率を高める。

キー・イシューは、プロとして意思決定者が悩むことを洞察し、提案するものだ

 残念ながら、企業の情報システム部門要員の多くは、「分からないことは聞くしかない」という発想が当たり前だ。「分からないことは聞くしかない」という発想しかなければ十分なキー・イシュー洞察はできない。なぜならば、キー・イシューには意思決定者自身が気づいていないものもあるからだ。また、気づいていてもそのキー・イシューはシステム部門に解決などできないと思っている可能性もあるからだ。

教えてもらえないキー・イシューの例

【例1】
親会社から着任したばかりの意思決定者は、営業が得意先の都合を慮って納期決定を遅らせる傾向のあることが、技術見積の精度向上による利益率改善の業務改革達成上、大きな障壁になっていることを知らなかった。事実認識がなければキー・イシューの存在に気づかない。

【例2】
意思決定者である工場長は、サプライヤからの納入を共同便に変え、サプライヤに物流費分の原価低減を求める業務改革では、いかにして社内外のサプライチェーン関係者を合意形成に導くか、というキー・イシューを抱いていたが、このようなキー・イシューはシステム部門に話しても仕方ないと考えていた。

 だからこそ、キー・イシューは、投資を取り巻く社内外の環境、意思決定者の意思、手持ちの知見から、総合的に仮説構築しなくてはならない。キー・イシューの洞察のためには、意思決定者の要望すら「一つの視点」であると認識し、プロとして行うべきことを提案する行動規範が求められる。

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キー・イシューをプロとして提案する

 意思決定者の意思は尊重すべきものであるが、意思決定者に十分な情報と時間がない場合、その意思が常に妥当であるとは限らない。また、豊富な外部の先行事例を紹介することで、意思決定者に触発が生まれて、意思そのものも変わる可能性もある。だからこそ、プロの自覚をもって、提案者としてキー・イシューを見出すのだ、というスタンスが重要になる。

キー・イシューの洞察には、知識・視点が豊富に必要だ

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