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- 2016/11/14 掲載
高木浩光氏、山本一郎氏、板倉弁護士ら激論、「本質理解しないから過ち繰り返す」
EUデータ保護規則による「越境データ問題」
国産クラウドベンダーがEUでサービス展開できない訳
クラウドというビジネスモデルは「委託」なのか
高木氏:EUやOECDのガイドラインではコントローラとプロセッサという用語を使って、委託元と委託先の区別をしていますが、日本の法律ではそういう区別がないのもやっかいです。例えば最近、富士通がパソコンの修理受付で、マイナンバーが入っているパソコンは取り扱わないということが話題となり、結局、マイナンバーとして使用しないのであれば、別に取り扱っても構わないということになりました。EUの制度では「マイナンバーとして取り扱う」「パーソナルデータとして取り扱う」という「として」という部分が大事な点なんです。日本は「取り扱い」という言葉で保管も何もかも表すので、そこも解決しないといけないところだと思います。
板倉氏:一般論として「外国にある第三者が個人データを取り扱えない」という旨が契約条項で定められており、適切なアクセス制御が行われている場合は、委託にはなりません。個人データの提供を受けて取り扱っていることにはならず、倉庫と同じ。したがってサイボウズが海外に出ても、セキュリティの規制しかかからなくなります。ただし契約条項に「個人データとして取り扱わない」という旨を記載してもらえるかどうか。サイボウズはこれを守って海外で展開しないと、日本から出られないということです。
青野氏:よく分からないのですが、国ごとに守りたいものバラバラで、個別で交渉をしたりお金を払ったりなど、全体負債的な問題が起きている認識で良いのでしょうか。
【次ページ】越境データ問題ではどんなリスクをはらんでいるのか
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