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- 2015/04/27 掲載
東大首席弁護士山口真由氏に聞く、教科書を読むだけで国家公務員Ⅰ種合格の秘法とは?
小学生のときにすでに「官僚になる」と決意していた
――まずはご経歴をうかがえますか。大学は東大法学部へ入って、3年生の時に司法試験に合格しました。翌年に国家公務員Ⅰ種合格して首席で卒業しました。財務省に入省し、2年勤務したのち、弁護士登録をして活動を始めました。現在、フィールドとしているのは国際的な企業買収です。
――すごいご経歴ですね。すでに小学生時代に官僚をめざしておられたとか。
山口氏: 「官僚たちの夏」というドラマを観て、感動したんです。エリートというと否定的なニュアンスがありますが、ドラマの中の官僚は自分の仕事に自負を持っていて、大臣と真っ向対決することになってもひるまずに国益を実現していこうという姿に惹かれました。そのとき実際の政治でも財政改革真っただ中で、「こういう問題に私は傍観者でいたくない」と思っちゃったんですね。
小学生ながら、自分の存在価値は「勉強のできる子」だと思ったこともあります。私、体育が得意じゃなかったんですよ。また思春期にニキビがいっぱいできて、かわいくなかった。そういう私がみんなの中で存在を認めてもらうとしたら、得意な勉強をがんばるしかないなと。
――「7回読み勉強法」は、もうこの頃から始めていたんですか?
山口氏: これを確立したのは大学受験の時でした。でも、繰り返し学習で人より努力するという習慣がついたのは高校時代からです。このときに強烈な原体験をしたんですよね。冒頭で申し上げたように、高校から東京へ出てきたんですが、同級生はみんな都会人で、何もしなくてもよい成績を取れるように見えました。自分だけ田舎の子という劣等感が強くて、ここでは誰よりも努力しなければ人並みにもなれないと思ってしまったんです。みんなが毎日勉強に充てる時間が3時間だとしたら、私はその上の5時間、7時間をかけようと。
実際、時間をかけることがすべてだと思うんですよ。高校のときに完全に意識していたわけではないんですが、「10,000時間の法則」というおもしろい統計があります。これはThe New Yorkerのスタッフライターであるマルコム・グラドウェル氏が世に広めた法則で、モーツァルトやビートルズなどのアーティストや、世界的に有名なスポーツ選手がその分野で活躍するための練習にかけた時間を調べると、10,000時間がひとつの目安になっていたそうなんです。つまり、どんな凡人でも10,000時間練習すれば、その道で世界レベルになれるということ。一日24時間しかない時間をどのように使うかは、高校時代から私にとって大きなテーマでした。
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