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- 2014/07/11 掲載
孫 正義氏とコリン・パウエル氏が語る交渉の極意 「いかに妥協点を見出すか」
パウエル氏 「日本は移民政策を進めるべき」
それは自分たちの一世代前、二世代前が移民であったという点である。この日の対談で孫氏が最初に挙げた話題も移民に関してのものだった。
日本は99パーセント以上が一つの民族からなり、同一性の高い国家だが、この先日本はその伝統を打ち破って移民政策を進めていくべきなのか。孫氏はパウエル氏にそう聞いた。それに答えてパウエル氏は「そうすべきだ。それ以外に道はない」と言い切った。
「日本の歴史も文化もよく知っている。しかし、今や人口は減少し続けており、労働人口は老齢化の一途をたどっている。若い人々だけでは上の世代の面倒を見ることができなくなっているのではないか。第一線で働いてくれる人々が必要だ。移民が日本に来たからといって、日本の文化は壊れない。彼らは日本へ来れば、日本人になる。」(パウエル氏)
パウエル氏はアメリカの例を出して説明した。
「アメリカはまさにそれを実行し、現在は“移民”と呼ばれる人の割合が10パーセントを超えた。少し増えすぎたという意見も出ているが、アメリカでは移民労働者は空港やレストランなどどこでも目にすることができ、彼らが国の活力となっている」
日本の中には、“人口が少なくなっても移民を受け入れるよりは今のままがいい”という意見がある。それを孫氏が紹介すると、パウエル氏は「それも一つの選択だろう。しかし、人口が減少し続けると、現在の経済成長が維持できなくなる」と憂慮を示した。
リーダーとして最も難しかった決断
対談のテーマは、やがてリーダーシップ論へ移っていく。孫氏は長いリーダーとしてのキャリアの中で、最も難しかった決断は何だったかと尋ねた。これに対しパウエル氏は、「決断というものはほとんどすべて難しいが、その中でも最も困難な決断は開戦命令を下すことだった」という。
パウエル氏は、その理由を以下のように語った。
「戦争をすれば若い兵士たちが戦地へ赴くことになる。そして敵・味方の双方に犠牲者が出る。敵の兵士にも両親がいて彼らの死を悲しむ。戦争というのはそういうひどいものなのだ。そして、私の手元には次々と犠牲者の名前が届けられる。それを見ると何かまちがった決断をしたのではないかと恐ろしくなる。だからパナマ侵攻のときも、湾岸戦争のときも、攻撃の決断をすることはほんとうに苦しかった」(パウエル氏)
【次ページ】パウエル氏が尊敬するリーダーとは?
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