- 2013/09/18 掲載
「BI分野で徹底的に戦う」アビーム、HyperCubeと提携 データサイエンティスト250名

執行役員
プリンシパル
プロセス&テクノロジー第4事業部長 兼
ビジネスインテリジェンス統括事業部長
中本 雅也 氏
コンサルティングに関する問い合わせも非常に増えているという。これは、経営の意思決定、ダッシュボード、コックピッドの話だけでなく、高度な経営分析も含めたもので、「相対的にデータ分析のコストが下がってきていることが普及を後押ししているのではないか」と中本氏は評価した。
また、今後の見通しについては、2年後の2015年3月期までには100億円の売上目標を目指す。「今年度は様子見の話が多い。その結果を受けて、来年度の予算どりをしたいという話が多い」という。
合わせて、現在、同社にいる日本で30名、海外で10名程度のデータサイエンティストを、2015年までに250名体制にしていく。

今回新たに提携を発表したHyperCube Research社は、アビームと提携関係にあるヨーロッパのベイリングポイントが買収した企業。フランスでは200を超える実績を持ち、クラウド型の予測ツールを展開している。もともと同社製品はフランスの原子力廃棄物の放射能漏出パターンを分析する目的でフランス原子力機関の要請で開発された。
その分析方法のユニークさは、n次元の同時解析にある。たとえば、従来のある小売店のデータサイエンティストであれば、店舗や売上の相関、立地と店長の年齢の相関など、仮説を立てながらそれぞれの項目の因果関係を1つずつ見ていく必要があった。
しかし、HyperCubeでは1度にn次元を同時に解析できる。これにより、1つ1つ仮説を立てなくても、1度の分析でうまくいっている店舗、うまくいかない要素などを抽出できる。従来の経験をもとにしたアプローチと比べて、「総当たりで1度に出てくるので、尖った数字が出てくる」という。
こうした知見によって、「いくつかのパラメータを入力すると、将来出店するこの店舗は成功するのか、失敗するのかわかるようになる」。

CEO
オーギュスタン・ウレ氏
既に数社での導入が進んでおり、精密機器メーカーで故障データの予知・予見、消費財メーカーでのマーケティングや最適な物流経路の確保、量販店での価格戦略、そして大手通信キャリアでの与信データ管理に活かしていこうとしているという。
HyperCube関連のコンサルティングサービスの価格はサービス全体で2500万円から。ビジネス課題の設定から、プランの実施まで手がける。また、HyperCubeデータ解析だけを実施する場合は、ビジネス課題1つにつき500万円から。HyperCube関連で2013年度に5億円、2014年度に15億円の売上を目指す。
中本氏は、ようやくアビームとして手がける製品が出そろったと評価。「アビーム自体がBIの分野で徹底的に戦って行くという姿勢を打ち出して行く」という。

文中で一部記載が誤っていました。本文は修正済みです。ご迷惑をおかけした読者ならびに関係者にお詫び申し上げます。
誤:中村雅也氏
正:中本雅也氏
誤:現在、日本で200名、海外で50名程度のデータサイエンティストがBI関連事業に従事しているが、今後はこれを500名ぐらいにしていきたいとした。
正:合わせて、現在、同社にいる日本で30名、海外で10名程度のデータサイエンティストを、2015年までに250名体制にしていく。
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