- 2025/04/28 掲載
超長期の日本国債、金利上昇局面で数千億円規模積み増す=住友生命・25年度運用計画
[東京 28日 ロイター] - 住友生命保険は2025年度の一般勘定資産の運用で、金利が上昇したタイミングをとらえた機動的な投資により、超長期の日本国債を「数千億円規模で」積み増す方針を示した。
増田光男執行役員・運用企画部長が28日、運用方針説明会で明らかにした。
円債は、「償還期間10年超」の日本国債を機動的に投資することにより、数千億円規模で積み増す計画。従来は負債と資産のデュレーションのマッチングの目的で投資対象は30年物が中心だった。「今後は各年限のリスク対比リターンや、負債と資産のキャッシュフローのマッチング状況を見ながら、投資する年限を判断していきたい」(増田氏)という。
日銀の金融政策について、同社では「米国から円安是正圧力がある中で利上げ路線は継続するものの、関税の影響が懸念されるため慎重なスタンスになることが見込まれる」として、年度内の追加利上げは10月以降に1回と想定。その先は26年度以降にもう1回利上げを行い、ターミナルレートは1.0%とのシナリオを描く。
国内金利に関しては、長期金利は「既に一定程度の利上げは織り込まれていることもあり、緩やかな上昇傾向」との見方から年度末に1.5%(28日時点は1.3%)と予想。また30年金利は「先行して売られており、現状は売られ過ぎ」として年度末は2.5%(28日時点は2.7%)で落ち着くとの予想を示した。
足元の金利水準での超長期国債への投資意欲について、増田氏は「直接的な言及は控えたいが、負債のコストから見ても投資妙味は十分にある水準と判断している」と述べた。
住友生命では、25年度から「円建てクレジット」の一部として、通貨スワップでキャッシュフローを円建てに固定した外国社債への取り組みを始めており、残高増加を見込む。
外国債券のうち、オープン外債は金利や為替動向次第で柔軟に対応する。
ヘッジ付き外債は、為替ヘッジコスト変動による収益への影響を抑制するため変動金利資産への投資を検討するもののクレジットの残高は減少。一方でヘッジ付きソブリン債は残高増加を見込む。
内外株式の残高の増減は相場次第。オルタナティブ資産はインフラエクイティやプライベートエクイティ(PE)ファンドへの投資により積み増し、不動産は投資用不動産への投資により残高を増やす。
住友生命の一般勘定の資産残高は、12月末時点で37兆4106億円。うち外貨建て資産は12兆1934億円(32.6%)。
2025年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。
日本国債10年物利回り 1.00―1.80% (年度末1.50%)
米国債10年物利回り 3.50―5.00% (同4.25%)
日経平均株価 3万2000―4万2000円 (同3万7000円)
NYダウ 3万7500─4万7500ドル(同4万1500ドル)
ドル/円 125―150円 (同140円)
ユーロ/円 150―170円 (同160円)
(植竹知子)
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