- 2013/05/13 掲載
ビジネスアナリティクス(BA)市場、前年比3.7%増 製造業のグローバル対応が寄与
これによると、2012年の国内EA/BAソリューション市場は、EAソリューションの市場規模が1兆9,227億300万円で前年比成長率1.9%、国内BAソリューションの市場規模が8,885億9,900万円で前年比成長率3.7%となった。
2012年は、リーマンショック以降、IT支出の抑制傾向が長期化していた製造業において、IT支出の寄り戻しが見られた。経営環境の変化が激しさを増すなかで、生産、物流、在庫、販売、会計といった、あらゆる企業活動をグローバル対応させていくための取り組みが、業務レベルでの検討を超えて、全社システムへの展開といった実際のIT支出につながったことが、2012年のEA/BAソリューション市場の復調に寄与したという。
2013年の国内EA/BAソリューション市場は、当面の間、グローバル対応が求められる製造業からのIT支出が市場をけん引していくとみられる。ただし、2014年以降は、個人向けの金融商品の販売における優良顧客の囲い込みを狙ったCRMソリューションや不正検知のためのBAソリューションに対するIT支出の増加が期待される金融やオンラインチャネルの強化に加えて、生産/物流機能の強化を目指す流通/小売に同市場のけん引役がシフトしていくものと考えられるという。
IDCでは、国内BAソリューション市場の2012年~2017年における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.8%で推移し、2017年の同市場規模は1兆1,218億2,700万円になると予測している。
EA/BAソリューションのうち、企業への浸透率が相対的に低いCRMソリューションやBAソリューションに関しては、今後も新規需要を中心に、堅調な支出傾向が続くとIDCではみている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチアナリストの浅野 晋平氏は「企業におけるBAソリューションの浸透率を高めるには、初期導入費用が少なく、短期導入が可能なBAソリューションの提供を通じて、企業ごとに異なる分析対象データや分析手法の見極め、短期におけるROI(Return On Investment)の算出を支援していくことが重要である」との声明を発表している。
なお、本調査におけるEA/BAソリューション市場とは、IDCが定義するEA/BAパッケージソフトウェアを、企業が実装する際に必要となるソフトウェア、サービス、ハードウェアに対する国内企業の支出額の合計。EA/BAソリューションは、一部のユーザー企業にとっては同一のソリューションとなる場合があり、支出額を単純合計すると市場規模のダブルカウントとなる可能性があるため、市場規模の算出に当たっては、EAソリューション市場とBAソリューション市場を合算せず、それぞれの市場規模を算出している。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内EA/BAソリューション市場 産業分野別 2012年の実績と2013年~2017年の予測」(J13300102)にその詳細が報告されている。
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