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- 2023/08/06 掲載
ChatGPT「Code Interpreter」とは?何ができる?データ分析能力が飛躍的向上のワケ
Code Interpreterとは? 何ができる?
年平均35%以上で成長し、2030年には1,093億ドルに達すると予想される生成AI市場。ChatGPTを展開するOpenAIが主導権を握っていると思われるが、Bardを擁するグーグルのほか、AlphaGoの技術を活用したチャットボットGeminiを開発するディープマインド、ChatGPTよりも強い記憶力を売りとするClaude2をリリースしたAnthropicなど、競合がひしめきあい、競争が激しい市場となっている。生成AIトレンドの火付け役となったOpenAIは優位性を維持するために、ChatGPTのプラグインを拡充するなどさまざまな施策を展開中だ。ChatGPTにおける直近のアップデートで特に注目されているのが「Code Interpreter」のリリースだろう。
Code Interpreterの存在が明らかにされたのは3月23日。ChatGPTのプラグインアップデートの一環として発表された。その後、4~6月にかけてアルファ版が一部のテスターに開放され、7月6~8日にかけてChatGPT Plusユーザー向けに開放された。
Code Interpreterをオンにすることで、ChatGPTにファイルをアップロードし、Pythonでさまざまな処理を行うことが可能になった。
アップロードできるのは、CSV、XLSなどのデータファイル、PNG、JPEGなどの画像ファイル、MOV、MP3などの動画・音声ファイル、またPDFファイルやZIPファイルのアップロード/ダウンロードがサポートされている。
アップロードできるファイルサイズは、最大で100MBといわれているが、それ以上のファイルサイズ(170MB)をアップロードできたケースや最大250MBであるとする報告もある。
特筆すべきは、Code Interpreterでは、すでに330以上のPythonライブラリがインストールされており、それらを活用して、さまざまな処理が可能である点だ。
たとえば、pandasによるデータ分析、matplotlibやseabornによるグラフ・地図の作成、Pillowによる画像処理などが挙げられる。すでに海外コミュニティでは、ゲーム作成、ミームの描画、データの前処理、コンピュータービジョンによる顔検出など、さまざまな実験が行われ、その結果が多数シェアされている。
多様な使い方があるが、その中でも最も一般的な使い方として広がりつつあるのがデータ分析といわれている。ニューヨーク・タイムズによると、株価分析や予算準備などでCode Interpreterを活用する金融アナリストが増えているという。
- プラグインpandasを用いたデータ分析
- matplotlibなどでグラフ・地図の作成
- Pillowを用いた画像処理
- ゲーム開発
- マーケティング調査
- 数学学習
Code Interpreterのクリエイティブ活用事例
Code Interpreterの活用例としては、Pythonの強みを生かしたデータ分析が主流のようだが、他の活用方法を模索する実験も多数実施されている。たとえば、アドビのクリス・カシュタノバ氏はツイッターで、Code Interpreterを使ったゲーム開発の実験をシェアしている。これは、ランダムに発生し、宇宙船に向かって飛んでくる隕石を撃ち落とすシンプルなゲーム。
カシュタノバ氏は、まずCode Interpreterをオンした状態で、ChatGPTに以下のプロンプトを入力し、ゲームの基礎となるコードを生成した。
これはJavascriptライブラリのp5.jsで、ゲームプログラムを生成するプロンプト。宇宙船をマウスで動かし、左クリックで隕石を撃ち落とし、宇宙船が隕石に衝突すると終了するというプログラムを生成するプロンプトとなる。
ChatGPTが生成したコードを、Javascriptを実行できるプラットフォームOpenProcessingにコピー&ペーストし、任意のテクスチャを加えることで、簡単に作成できたとカシュタノバ氏は説明している。 【次ページ】Code Interpreter、マーケティングでのポテンシャル
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