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- 2005/10/31 掲載
中小企業へのERP導入の実際と成功へのアドバイス
ITコーディネータ協会届出組織
ITC梁山泊「ERP?分科会」
羽生田 博正氏
NTTデータアイテック
中久喜 唯男氏
NMBコンサルティング
1、はじめに
昨今、ITは経営戦略を具現化するためには必須であることが、企業社会に認識されてきた。企業の基幹業務を支援するITの代表としてERPパッケージ(以下ERP)がある(注1)。
ERPが日本に上陸してからすでに10年以上たった現在、ERPという言葉も業界の中で一般用語として認識されてきた。従来、大企業向けERPと中堅中小企業向けERPは棲み分けされていた。しかし、最近はSAP R/3、OracleEBSも業種、業界に合わせてテンプレートを提供するなど中堅企業で導入可能な費用とするための方策をうってきており、双方の垣根は徐々になくなりつつある。
また、ERPの企業への導入状況調査においても、2003年の調査ではゼロであった売上高100億円未満企業が2004年には14%になったという導入実績が報告されている(注2)。
ITコーディネータ協会(注3)の届出組織であるITC梁山泊(注4)「ERP?分科会」では、基幹系の業務システムとして、ERPを含めたパッケージ利用について様々な切り口で調査分析をしてきた。本稿の執筆を契機に、中小企業向けERP導入成功へのアドバイスとしてまとめた。
2、中小企業向けERPとは
ERPの多くは大企業向けに開発されてきたものであり、企業の基幹業務を支援する目的のために使用される業務システムである。従って、ERPの業務機能(機能モジュール)は、大企業でも中小企業でも大きく変わらない(図表1)。
ERPポジショニング
業務内容(組織の規模、業務プロセス、業務の広さ、業務の詳細・精度)、企業規模、ビジネスモデル、業種、業態によりERPは大きく異なってくる。さらに、ERP導入の総額(ライセンス価格とその導入コンサルティング)は大規模ERP、中規模ERP、小規模ERPで大きな違いがある。
中小企業では、機能、業務プロセスのバリエーションは少ないが、ライセンス価格と、ライセンス保守料を含めた導入後の運用コストがかからないERPを選択しているのが実態ではないだろうか。
注2:「2004年ERPユーザ白書」ERP研究推進フォーラム 2004年8月
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